3.7 給付⑦高額介護合算療養費

世帯で1年間(8月1日~翌年7月31日)に支払った後期高齢者医療制度の一部負担金等の額と、介護保険の利用者負担額の合算額が世帯の算定基準額を超えるとき、超えた額が高額介護合算療養費として支給されます。

※後期高齢者医療制度と介護保険それぞれの制度から払い戻されます。

3.8 給付⑧保険外併用療養費

保険が適用されない療養を受けると、保険が適用される部分があっても全額が自己負担となります。

しかし、医療技術の進歩や患者のニーズの多様化に対応するため、一定の条件を満たした場合は、通常の治療と共通する部分(診療・検査・投薬・入院料等)の費用は、一般の保険診療と同様に保険が適用されます。

これを保険外併用療養費といいます。

3.9 給付⑨訪問看護療養費

主治医の指示に基づいて訪問看護ステーションを利用した場合、自己負担分の利用料を支払った残りの分について、訪問看護療養費として支給されます。

3.10 給付⑩特別療養費

被保険者資格証明書の交付を受けている方が保健医療機関にて医療費の全額を支払った場合、申請に基づき、自己負担額を除いた額が特別療養費として支給されます。

ただし、保険料未納分を相殺する場合があります。

3.11 給付⑪葬祭費

被保険者が亡くなったとき、その葬儀を行った喪主を対象として、葬祭費が支給されます。

なお、自治体によっては独自の助成をするところもあります。

3.12 給付⑫自治体独自の事例

給付とは異なりますが、保健事業の一環として保養施設の利用助成や人間ドック等の補助を行うところもあります。

たとえば埼玉県ふじみ野市の場合、後期高齢者医療制度の被保険者のうち保険料の納期到来分が完納されている人を対象として、保養施設の宿泊利用補助を行っています。

助成額は1泊3000円で、1年度内1人1回限りの利用となっています。

4. まとめにかえて

後期高齢者医療制度は、現役世代を支えてきたシニア世代の医療を支える重要な仕組みです。

本記事では、その制度の概要から、医療費の自己負担割合、さらには受けられる給付の種類までを詳しく解説しました。特に2025年9月30日に終了する「2割負担」の配慮措置は、該当する方にとって大きな影響を及ぼす可能性があります。

ご自身の負担額がどのように変わるのか、この記事を参考に改めて確認してください。

制度を理解することは、将来の安心につながります。医療費の負担増に備え、家計管理や資産運用についても検討してみる良い機会になるでしょう。

参考資料

石津 大希