長らく続く物価高の影響で「生活が厳しい」と感じている方も多いのではないでしょうか。

株式会社SAMURAIが、全国の働く男女300人を対象に行った「物価高時代におけるキャリア選択の実態調査」の結果を公表しています。

それによると、物価高の影響で「収入面の不安が増した」と回答した人の割合は、全体の62%を占めています。

また、この1年で本業の給与に変化があったかという問いに対して「変わらない」と答えた人は66%となっており、もっとも多くの割合を占めていることがわかりました。

物価が上昇しているにもかかわらず、給与水準が変わっていない人が大半を占めていることが見て取れます。

なお、厚生労働省が2025年10月8日に公表した「毎月勤労統計調査 令和7年8月分結果速報」によると、実質賃金は前年同月と比べ1.4%の減少となっており、8カ月連続のマイナスを記録しています。

本記事では、国税庁が公表している調査資料をもとに、民間企業に勤める給与所得者の「日本全体」「男性」「女性」の平均年収について詳しく見ていきます。

《正社員・正社員以外》の平均年収もご紹介しますので、キャリアや家計について考える際に参考にしてください。

1. 【平均年収】はいくら?「日本全体・男性・女性」で比較

国税庁が公表した「令和6年分 民間給与実態統計調査」をもとに、日本全体の平均年収に加え、20歳代から50歳代までの年代別に平均年収の推移を見ていきましょう。

1.1 【日本全体の収入事情】「平均年収」はいくら?

最新の日本の平均年収2/6

最新の日本の平均年収

出所:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」

日本全体の平均年収は478万円です。

なお、男性の平均年収は587万円ですが、女性は333万円となっています。

この格差の背景には、出産や育児といった家庭の事情により、女性が働き方を変えるケースが多いことが要因の一つとされています。

さらに、正社員・正社員以外の平均年収について、次のようなデータが示されています。

1.2 【正社員・正社員以外】「平均年収」はいくら?

  • 正社員全体の平均年収:545万円
  • 男性正社員の平均年収:609万円
  • 女性正社員の平均年収:430万円

一方で、正社員以外の平均年収は以下の結果となっています。

  • 正社員以外の全体の平均年収:206万円
  • 正社員以外の男性の平均年収:271万円
  • 正社員以外の女性の平均年収:174万円

これらのデータからわかるように、正社員に絞ってみた場合、男性の平均年収は609万円ですが、女性の平均年収は430万円と、約180万円の差があります。

1.3 【年代別における収入事情】20〜50歳代の「平均年収」はいくら?

次に、年代ごとの平均年収を見ていきましょう。

各年代における平均給与は以下のとおりです。

【20歳代~70歳以上】年収一覧表3/6

【20歳代~70歳以上】年収一覧表

出所:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」

【給与所得者「全体」の平均年収】

  • 〜19歳:118万円
  • 20~24歳:277万円
  • 25~29歳:407万円
  • 30~34歳:449万円
  • 35~39歳:482万円
  • 40~44歳:516万円
  • 45~49歳:540万円
  • 50~54歳:559万円
  • 55~59歳:572万円
  • 60~64歳:473万円
  • 65~69歳:370万円
  • 70歳以上:305万円

なお、上記の数値は男女を合算した平均年収となっていますが、男性に限って見ると、平均年収はさらに高い傾向にあります。

【給与所得者「男性」の平均年収】

  • 〜19歳:144万円
  • 20~24歳:295万円
  • 25~29歳:438万円
  • 30~34歳:512万円
  • 35~39歳:574万円
  • 40~44歳:630万円
  • 45~49歳:663万円
  • 50~54歳:709万円
  • 55~59歳:735万円
  • 60~64歳:604万円
  • 65~69歳:472万円
  • 70歳以上:380万円

50歳代は管理職など役職に就く人が増える年代であり、全体の中でもっとも高く、男性の平均年収は700万円を超える水準となっています。

【給与所得者「女性」の平均年収】

  • 〜19歳:96万円
  • 20~24歳:258万円
  • 25~29歳:370万円
  • 30~34歳:362万円
  • 35~39歳:351万円
  • 40~44歳:359万円
  • 45~49歳:369万円
  • 50~54歳:363万円
  • 55~59歳:356万円
  • 60~64歳:294万円
  • 65~69歳:240万円
  • 70歳以上:209万円

女性の平均年収のピークは、25~29歳の370万円です。

50歳代に平均年収がもっとも高くなる男性とは異なり、女性の場合は45~49歳で369万円となる次のピークを迎えたあと、50歳代から平均年収が低くなっていきます。

2. 【こんなにも差が!?】業種別における「平均年収」はいくら?

次に、業種別の平均年収についても確認してみましょう。

平均給与の高い業種を上位5つ挙げると、以下のとおりとなります。

  1. 電気・ガス・熱供給・水道業:832万円
  2. 金融業・保険業:702万円
  3. 情報通信業:660万円
  4. 製造業:568万円
  5. 建設業:565万円

一方で、宿泊業・飲食サービス業:279万円や、農林水産・鉱業:348万円など、平均年収が低い傾向にある業種も存在します。

このことからも、業種によって収入格差が大きいことは明らかです。

したがって、高収入を目指すのであれば、どの業種を選択するかが重要なポイントとなるでしょう。

3. 年収を上げるために今からやっておきたい「3つのこと」

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kapinon.stuio/shutterstock.com

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たとえ業種を変えることが難しい場合でも、工夫によって年収を高めることを目指せるでしょう。

自分のスキルや働き方を見直し、積極的に取り組むことで収入アップにつながることが期待できます。

では、具体的にどのような方法があるのかをいくつか確認していきましょう。

3.1 1:求められているスキルを磨く

年収を高めるためには、専門的なスキルの習得だけでは十分とはいえません。

とくに管理職や上級職を目指すのであれば、技術力に加えて、リーダーシップやコミュニケーション力、さらにはチームを統率するマネジメント力が欠かせません。

たとえば、管理職の立場にある人であれば、部下の育成や目標達成に向けた指導力が求められ、これらの能力が評価される場面が多くなります。

こうしたスキルを磨くことで、社内からの信頼が厚くなり、昇進や年収アップの可能性を高めることができるでしょう。

3.2 2:資格を取得する

年収を上げる方法のひとつに、資格取得があります。

多くの企業では資格に応じて手当が支給される傾向にあるため、資格を取得することで月々の給与が増える可能性があります。

また、資格を持つことで担当できる業務の幅が広がり、より専門性の高い仕事や責任ある役職を任されるチャンスにつながるでしょう。

そのため、まずは自分の勤務先で資格がどのように評価されているのか、手当制度の有無を確認したうえで、キャリアアップにつながる資格を見極めることが大切です。

3.3 3:副業を始めて収入源を増やす

年収を伸ばす手段の一つとして、副業に取り組むことも有効です。

最初から大きな収入を得ることは難しいかもしれませんが、本業との両立を意識しながら少しずつ進めることで、安定的に収入源を増やしていくことができます。

さらに、副業を通じて新しいスキルを身につけたり、人脈を広げたりすることで、本業にもプラスの効果が生まれ、結果的に年収アップにつながることもあります。

自分の興味や得意分野を活かせる仕事から始め、段階的にステップアップを目指していきましょう。

4. 収入アップとともに「将来への備え」や「節税」についても考えましょう

本記事では、国税庁が公表している調査資料をもとに、民間企業に勤める給与所得者の「日本全体」「男性」「女性」の平均年収について見ていきました。

年収が増えると、それに伴い納税額も増加します。

そのため、「年収は上がったのに、税金が増えたことで手取りが思ったほど変わらない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

こうした時には、節税効果を意識した選択を検討するとよいでしょう。

たとえば、iDeCo(個人型確定拠出年金)は、積み立てた全額が所得控除の対象となり、所得税や住民税を軽減できます。

生命保険料控除6/6

生命保険料控除

出所:国税庁「生命保険料控除」

また、生命保険料控除や個人年金保険料控除なども、限度額はありますが税負担を抑える効果が期待できます。

これらの制度を上手に活用し、手元に残るお金を増やす工夫をしましょう。

参考資料