5. 老後に向けて資産形成を進めよう
今回は、公的年金の仕組みと平均年金受給月額を解説しました。公的年金・恩給だけで生活できている高齢者世帯は43.4%という数字に驚いた方もいるのではないでしょうか。
多くのシニアが、私的年金、勤労収入、貯蓄の取り崩し、分配金・配当金というように、公的年金以外のお金が必要な状況にあることがわかります。
老後資金がどの程度必要かは、年金受給額と支出のバランスにって、世帯ごとに異なります。老後必要資金について、現役時代の早い段階で試算しておくと、老後に向けて資産をどれくらい、またどのように準備すべきかが見えてくるでしょう。
老後に向けて資産形成を進める際には、「老後に不足するであろう生活費」以外にインフレによりお金の価値が変わる可能性があること、少子化により年金支給水準が低下する可能性があることも考慮しておくことも重要です。
物価高が続く中、なかなか老後資金にまで手が回らないかもしれませんが、自助努力によって老後資金を形成していくことが必須の時代です。
少しずつ、できることから取り組み始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします ~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金の繰上げ受給」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編2024年(令和6年)平均結果の概要」
菅原 美優