9月に入り、秋の訪れを感じる季節になりました。食欲の秋、読書の秋など、楽しみが多い時期ですが、老後の生活設計について考えるには良い機会かもしれません。
特に年金生活を送っている方や、これから迎える方にとって、公的年金に加えて受け取れる「年金生活者支援給付金」は、家計を支える重要な制度です。
2019年10月の消費税引き上げを財源として創設されたこの制度は、一定の要件を満たすことで年金に上乗せして給付金を受け取れるものです。
しかし、その存在や手続き方法を詳しく知らない人も少なくないでしょう。
本記事では、年金生活者支援給付金の目的や対象者、支給額、そして複雑に感じる手続き方法について、わかりやすく解説します。
1. 年金生活者支援給付金とは?
老齢年金・障害年金・遺族年金を受給中の人で、前年の所得が一定基準額以下の場合、年金に上乗せして受け取れるのが「年金生活者支援給付金」です。
年金は2ヶ月ごとに支給されるため、該当すれば2ヶ月ごとに給付金も受け取れるということです。
年金生活者支援給付金は2019年10月に始まったもので、当時消費税が8%から10%に引き上げられました。
年金生活者支援給付金の財源はこの消費税の引き上げ分であり、「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」の第4条でも次のとおり明記されています。
「年金生活者支援給付金の支給に要する費用の財源は、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律の施行により増加する消費税の収入を活用して、確保するものとする。」
引用:e-Gov法令検索「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」
現在の年金生活者支援給付金制度が始まったのは、2019年10月です。同時期には、消費税が8%から10%に引き上げられており、この引き上げ分の税収を用いて、対象者に支給されています。