パートナーのご両親が年を取るにつれ、同居話が持ち上がるケースもあります。介護が必要になったり、ご両親のどちらかが亡くなったりしたときに同居の話になることが多いようです。やはり、パートナーとしても高齢の両親をほったらかしにしておくわけにはいかないと感じるのでしょう。

しかし、このときもいくつかの選択肢の中から最適解を見つけ出さないといけないですよね。ご両親との同居を自分がどう考えているかにもよりますが、なかなか悩ましい話になりそうです。筆者の知人は、旦那さんのお母さまとの同居を拒否していましたが、結局彼女が専業主婦であることを最大の理由に、介護と同居を頼まれたようです。

彼女は「私が働いていないから、介護施設に入れるお金もないと言われた。そんなことを言う人じゃなかったのに。私たちの大事な家なのに」と嘆いていたのが印象的です。専業主婦として、家事に育児に奮闘したにも関わらず、そんなことを言われてしまうのは気の毒です。

しかし、同時に彼女がもし、育児休暇を取ったり時短勤務を利用したりしながらなんとか正社員のまま働き続けられていれば、もう少し選択肢の幅があったかもしれません。2馬力で働いていれば、お義母さんを介護施設に入れられたかもしれませんし、彼女の大切な家という居場所を守れたかもしれません。

パートナーの病気・ケガのとき

また、パートナーがケガや病気をしないとは限りません。もし自分が結婚を機に仕事をやめ、専業主婦(夫)として過ごしていたら、パートナーの不慮のケガや病気はどのような打撃を与えるでしょうか。それがもし、長期入院や手術を伴う大きな病気やケガだったら。後遺症が残ったり、身体が不自由になってしまうほどのケガや病気だったら。考え出すとキリがないのですが、可能性がゼロではない以上、考えておく必要がありますよね。

これは筆者が知人から聞いた話ですが、旦那さんが若くして癌による闘病生活を強いられた人のパターンです。子どもは2人、自分は専業主婦。当然保険はかけていたものの、医療費に飛んでいくばかりで経済的に相当苦しかったようです。自分も働きに出るようになりましたが、長男が大学進学をあきらめて高校卒業後すぐに就職。次男だけは大学へ進学させたそうですが、生活は大変だという話でした。よくある話に聞こえるかもしれませんが、こういった事態も考えられるのです。

まとめ

いかがでしたか。結婚をしても退職せずに、育児休暇や時短勤務を利用して働き続けることは、こうしたリスクの予防線になるのではないでしょうか。今はかなり結婚・出産後も働き続けられる環境が整いつつあります。結婚や子育てをきっかけに仕事をあきらめてしまうのではなく、できるだけ長く働けるように自らの環境を整えることが将来の豊かさにつながるかもしれません。今のうちから将来のことを考えて、キャリア形成の見通しを立ててみてはいかがでしょうか。

大塚 ちえ