4. まとめにかえて
今回は、年金の手取り額が変わる仕組みをふまえ、国民年金・厚生年金の年金月額を一覧表で確認しました。
10月15日の年金支給日を迎えるにあたり、物価高騰が続くなかで、家計の消費の伸びがわずか+0.1%に留まる(2025年4~6月期GDP速報)など、多くの年金世帯が節約で生活を守っている状況がうかがえます。特に、公的年金から天引きされる税金や社会保険料は、年度途中の10月(または8月)に計算方法が「仮徴収」から「本徴収」に切り替わるため、注意が必要です。
この本徴収への切り替えにより、前年の所得が大幅に増加した方(不動産売却や一時的な高収入など)は、天引き額が大きく増え、10月以降の年金手取りが想定外に減る可能性があるため、自身の課税状況を事前に確認することが大切です。
なお、令和5年度のデータによると、厚生年金(国民年金含む)の平均年金月額は65歳以降で14万円台から16万円台、国民年金のみの平均年金月額は65歳以降で5万円台となっており、ご自身の年金額と比べて家計管理の目安にできます。
物価高の波が続く中、年金の手取り額の変動を理解し、平均額を参考にしながら、今後の家計管理を前向きに見直すヒントにしていただければ幸いです。
参考資料
- 内閣府経済社会総合研究所 国民経済計算部「2025年4~6月期四半期別GDP速報(1次速報値)」
- 厚生労働省「保険料(税)の特別徴収」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
奥田 朝