近年、働き方の多様化が進み、個人のスキルや専門性がキャリアを左右する時代になってきているといえます。
そんな中で新卒者として就活をするZ世代。彼らはどのような価値観で仕事を選び、どのようにキャリアを築いていこうと考えているのでしょうか。
今回は、Z世代が仕事選びで最も重要視しているポイントや入社後のミスマッチを防ぐために企業に求める情報などをアンケート調査から紐解きます。Z世代のリアルなキャリア観をチェックしていきましょう。
1. Z世代は「就社」と「就職」どちらを重視?
今回は、good luck株式会社が2025年7月に実施した「就活生のキャリア観に関する調査」の結果から、Z世代の働き方に対する思考を読み解いていきます。
1.1 調査概要
- 調査名:就活生のキャリア観に関する調査
- 調査対象:就職活動を行う大学生・大学院生 102名
- 調査期間:2025年7月3日~2025年7月21日
- 調査方法:Webアンケート形式
1.2 Z世代の約7割が「就職」重視
就職活動において、あなたは「どの会社に入るか(就社)」ということと、「どのような仕事に就くか(就職)」ということでは、どちらをより重視しますか?1/5
出所:【Z世代のキャリア観】「会社名より、何ができるか」Z世代の68%が“就社“より“就職“を重視する時代。就活生のキャリア観に関する調査結果を公開|good luck株式会社
就職活動において「どの会社に入るか(就社)」と「どのような仕事に就くか(就職)」のどちらをより重視するかという質問に対し、Z世代の68.0%が「どのような仕事に就くか(就職)」を重視すると回答しました。
従来の「大手企業に入りたい」といった「就社」志向から、「希望の仕事」を重視する「就職」志向へと変化していることがわかります。
大手に入れば安心、という価値観よりも「何をするか」を選ぶことの方が、これからの時代を生き抜く上で自分らしいと感じるのかもしれません。肩書きや会社名に縛られたくないZ世代の本音がうかがえます。
次の章からは、具体的なキャリア形成や仕事選びについての考え方をみていきましょう。
2. Z世代は「会社を選んで活用したい」…キャリア形成や仕事選びについての考え方は?
就職活動時に「企業」を軸に考えるのではなく「希望の仕事」を軸にしているZ世代。
それでは、就職後のキャリア形成についてどのように考えているのでしょうか。
2.1 キャリア形成は「会社主導」ではなく「個人主導」へ
自分のキャリアを形成する上での思考はどちらに近いですか?2/5
出所:【Z世代のキャリア観】「会社名より、何ができるか」Z世代の68%が“就社“より“就職“を重視する時代。就活生のキャリア観に関する調査結果を公開|good luck株式会社
自分のキャリアを形成する上での思考はどちらに近いですか?
- 個人が主体的にキャリアプランを考え、会社を選ぶ・活用する:68.9%
- 会社がキャリアパスを用意し、それを達成していく:23.3%
- どちらともいえない/よくわからない:7.8%
キャリア形成について個人主導か会社主導か、「自身のキャリアを形成する上でどちらの考え方に近いか」の質問には、68.9%が「個人が主体的にキャリアプランを考え、会社を選ぶ・活用する」と回答しました。
これは「会社がキャリアパスを用意し、それを達成していく」と回答した23.3%を大きく上回る結果です。Z世代は、会社にキャリアを委ねるのではなく、自らが主体的にキャリアを形成していくことを望んでいるとわかります。
結果から、キャリアの主導権を握るのはあくまでも自分自身というZ世代の考えが伝わってきます。転職や副業も珍しくない時代だからこそ「会社に育ててもらう」より「会社を使って成長する」視点が自然に思えるのかもしれません。
2.2 仕事の選び方も「自分主体」?
「自分が会社でどんな活躍ができるか」と「会社がどんな魅力を持っているか」、どちらが重要?3/5
出所:【Z世代のキャリア観】「会社名より、何ができるか」Z世代の68%が“就社“より“就職“を重視する時代。就活生のキャリア観に関する調査結果を公開|good luck株式会社
「自分が会社でどんな活躍ができるか」(スキルや専門性を活かせる環境かどうか)と「会社がどんな魅力を持っているか」(安定性、福利厚生、ブランド、企業文化など)では、どちらが重要ですか?
- 「自分がその会社でどんな活躍ができるか」(スキルや専門性を活かせる環境かどうか):50.5%
- 「その会社がどんな魅力を持っているか」(安定性、福利厚生、ブランド、企業文化など):44.7%
- どちらともいえない/よくわからない:4.9%
また、仕事を選ぶ上でも「自分がその会社でどんな活躍ができるか(スキルや専門性を活かせる環境かどうか)」を重視する人が50.5%に達しました。
会社のブランドや福利厚生といった「その会社がどんな魅力を持っているか」を重視する44.7%をやや上回っており、「自分自身が成長できるか」という視点が重要視されているとわかります。
知名度のある企業よりも、自分が挑戦できる場を強く求める若者が多いようです。小さな会社でも自身の裁量が大きければ、個人の成長には大きなチャンスになると考えられるでしょう。
次の章では、Z世代が就職活動においてミスマッチのために確認したいことをみていきます。
3. 【Z世代の本音】入社後のミスマッチを防ぐために確認したいことは?
現在の大学生においては、就職活動の一環として長期インターンシップなどの選択肢も一般的になってきました。
入社後のミスマッチを防ぐために企業に求める情報も具体的になってきているといえるでしょう。そのなかで、重要視している情報はどんなものがあるのでしょうか。
入社後のミスマッチを防ぐため、企業からのどのような情報提供が最も重要だと思いますか?4/5
出所:【Z世代のキャリア観】「会社名より、何ができるか」Z世代の68%が“就社“より“就職“を重視する時代。就活生のキャリア観に関する調査結果を公開|good luck株式会社
入社後のミスマッチを防ぐため、企業からのどのような情報提供が最も重要だと思いますか?
- 具体的な職務内容(日々の業務、プロジェクト内容など):34.0%
- 職場の雰囲気、チーム構成、上司や同僚の人柄:34.0%
- 給与、福利厚生、労働時間・労働条件の詳細:10.7%
- その職務におけるキャリアパス(昇進、異動の可能性や条件など):9.7%
- その職務で求められる具体的なスキルや経験:7.8%
- 企業のミッション・ビジョン・バリュー:3.9%
最も重要視されている情報は「具体的な職務内容(日々の業務、プロジェクト内容など)」と「職場の雰囲気、チーム構成、上司や同僚の人柄」で、ともに34.0%でした。
これらはインターンシップでもわかることですが、限られた時間や関係性では見えない実情も知りたい就活生たちも多いのでしょう。
次いで「給与、福利厚生、労働時間・労働条件の詳細」が10.7%と、同率一位の二項目とは大きな差が生まれています。
給与や福利厚生などの待遇以上に、具体的な働き方や人間関係に関する情報を求めている様子がうかがえます。
自分が実際に働く姿を想像できなければ、いくら条件が良くても選びづらいもの。だからこそ「誰と、どんなふうに働くのか」をもっとオープンに知りたいと考えているZ世代が少なからずいるようです。
4. ポジション確約採用こと「ジョブ型採用」、Z世代はどう思う?
ちなみに、Z世代も重視している「職務内容の透明性」を担保する採用方式として注目されるのが、入社時に配属と職務内容および年収が確約される「ポジション確約採用(ジョブ型採用)」。
Z世代はジョブ型採用について、どう思っているのでしょうか。
ポジション確約求人の情報だけを掲載しているプラットフォーム(Webサイト)があれば利用したい?5/5
出所:【Z世代のキャリア観】「会社名より、何ができるか」Z世代の68%が“就社“より“就職“を重視する時代。就活生のキャリア観に関する調査結果を公開|good luck株式会社
職務内容や勤務地、年収などが約束される「ポジション確約採用(ジョブ型採用)」については「ぜひ利用したい」が35.0%、「利用したいと思う」が31.1%となり、合計で66.1%が利用意向を示しています。
Z世代が仕事内容を重視している傾向と合致していることがわかります。
やりたい仕事に最初から就けるなら遠回りしない方がよいと考えるZ世代。しかし、まだ開示されている情報が少なく、探しにくいのが正直なところなのかもしれません。
5. まとめにかえて
Z世代は「どこの会社か」よりも「どのような仕事か」を重視し就職活動を行い、自らキャリアを形成しようとしていることがわかりました。
企業は、入社後のミスマッチを防ぐためにも、具体的な職務内容や職場の雰囲気といった、より詳細な情報を積極的に提供していくことが、優秀な人材を獲得する上で重要になるでしょう。「就職」志向の学生に対して、ジョブ型採用の詳細な情報提供をすることも必要です。
そして就活生にとっても、就職活動は社会に出るうえでの一つの通過点として考えられます。「就社」の考え方では、一度きりの新卒採用の機会がとても重く感じられ、就職活動が厳しいものとなってしまいますね。
しかし、自らのキャリアを考える「就職」の考え方をしていれば、社会に出た後にもキャリアアップの機会があると考えられ、より「やりたいこと」に向き合った就職活動ができるでしょう。
就職はゴールではなくスタート。Z世代の「就職」に対する考え方は、会社に左右されない自らのキャリアを考えるうえで大切なことかもしれません。