近年、私たちの生活や仕事に生成AIが浸透しています。チャット型の生成AIでは、質問を投げかければ簡単に回答が得られることから、日常生活での悩みを解決したり、仕事を効率化したりしている人も多いのでは。
とくにデジタルネイティブであるZ世代は、その活用に積極的であるというイメージもあります。では、実際に生成AIを利用しているZ世代はどのくらいいるのでしょうか。
今回は、Z世代の生成AIとの向き合い方について深堀りしていきます。また、総務省の資料をもとに国外や国内の世代ごとの付き合い方についても確認していきましょう。
1. Z世代の生成AIの利用率はどのくらい?
株式会社MERYが2025年7月に実施した「AIに関するMERYアンケート」をもとに、Z世代における生成AIの認知度と利用経験について見ていきましょう。
1.1 調査概要
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2025年7月2日〜7月6日
- 調査対象:全国の15歳〜29歳の男女
- 集計サンプル数:1,000名
1.2 生成AIの利用経験はありますか? 約半数に留まったZ世代
生成AIツールの利用経験1/4
出所:株式会社MERY【MERY Z世代研究所 AIに関する調査】Z世代の「生成AI」利用率は約半数に留まる結果に。使いこなしている層と、使いたいと思わない層の二極化傾向も。」(PR TIMES)
「生成AIツールの利用経験」について尋ねたところ、利用経験が「ある」と回答したのは49.2%にとどまり、半数以上が「なし」と回答しています。
- ある:49.2%
- なし:50.8%
利用率が高いイメージのあるZ世代でも、利用者が過半数とはならないのが驚きですね。今チェックしたZ世代の利用率は、他の年代と比べると差があるのでしょうか。
次の章では、総務省の統計の数値から国外や国内の別世代との違いを確認していきましょう。
2. 個人の生成AIサービス利用経験、国外/国内の別世代で比較すると?
今回は、2025年7月に総務省が公表した「令和7年版情報通信白書」の調査結果を確認していきましょう。
2.1 【国別】個人の生成AIサービス利用経験(全体・2023-2024年度)
- 日本
- 2024年度:26.7%
- 2023年度:9.1%
- 米国
- 2024年度:68.8%
- 2023年度:46.3%
- ドイツ
- 2024年度:59.2%
- 2023年度:34.6%
- 中国
- 2024年度:81.2%
- 2023年度:56.3%
2.2 【日本国内・世代別】個人の生成AIサービス利用経験(2024年度)
- 20歳~29歳:44.7%
- 30歳~39歳:23.8%
- 40歳~49歳:29.6%
- 50歳~59歳:19.9%
- 60歳~69歳:15.5%
※業務や日常生活での利用経験、テキスト生成以外の生成AIの利用率も合計
資料によると、日本国内の20代の生成AIサービス利用経験者は44.7%でした。他の年代では3割を下回っていることから、20歳代の割合は日本国内では高いほうだと言えるでしょう。
ただし、国外との比較した数値は大きな開きが見受けられます。2023年度と比較すると約3倍と伸長したものの、日本全体の利用率は26.7%にとどまりました。
米国の68.8%や中国の81.2%といった数値と比較すると低い水準にあるのが現状です。
次の章からは、実際に生成AIを利用しているZ世代の使用頻度や付き合い方を深堀りしていきましょう。
3. 「お試しで使っただけ」が12%…Z世代の「生成AIの使用頻度」は?
実際に生成AIを利用しているZ世代は、どのくらいの頻度で使っているのでしょうか。
3.1 一度でも使ったことがある人の中では「週に1〜3回」が最多
生成AIツールを使う頻度3/4
出所:株式会社MERY【MERY Z世代研究所 AIに関する調査】Z世代の「生成AI」利用率は約半数に留まる結果に。使いこなしている層と、使いたいと思わない層の二極化傾向も。」(PR TIMES)
- 毎日:14%
- 週4~6回:18.9%
- 週1~3回:27.4%
- 月1~3回:18.5%
- 数ヵ月に1回:9.2%
- 1回使っただけ:12%
「生成AIツールを使う頻度」として最も多かったのは「週に1〜3回」で27.4%でした。つづいて「週に4〜6回」が18.9%、「毎日」が14.0%となっており、利用者の約6割は生成AIを週に1回以上使っているようです。
その一方で「一回使っただけ」が12%となっていることからも、生成AIをそこまで使うことがなく「とりあえずお試しで」使った人もいることがわかります。
こうした傾向から見えてくるのは、Z世代の中で生成AIが身近なツールとして定着し始めている一方、全員がその価値を実感しているわけではない、という現実です。技術的な関心の高さやインフラの整備状況だけでなく、慎重な価値観や情報との向き合い方が影響しているともいえるでしょう。
「使いこなす」層と「試して終わる」層の間に広がる温度差は、これからのAIリテラシー教育やサービス設計において、無視できないヒントになるかもしれません。
4. 生成AIは「便利なツール」として割り切って付き合う存在
生成AIは、一定層にとっては日常的に接するツールとなりつつあります。
そんななか「ただ使っている」だけでなく「AIと上手に付き合っている人」とは、どのような人だとZ世代は考えているのでしょうか。
あなたにとって「AIと上手くつきあってる人」とはどのような人ですか?4/4
出所:株式会社MERY【MERY Z世代研究所 AIに関する調査】Z世代の「生成AI」利用率は約半数に留まる結果に。使いこなしている層と、使いたいと思わない層の二極化傾向も。」(PR TIMES)
4.1 【Z世代】「AIと上手くつきあってる人」とはどのような人?
- 「AIに頼り切りにならず、適切な距離感を保ちつつ偏見を持たず色んなことに使ってみてそこから自分のものに落とし込む人」
- 「AIを一意見としてだけ取り入れて、自分の考えをしっかり持っている人」
- 「文章を自分で考えている物を校正させたり、自分の考えを整理させたり、自分の意志を混ぜ込んだうえでAIを活用している人」
- 「選択肢の決定をAIに委ねるのではなく、選択肢を増やすのにAIを使用したり、選択肢の利点を整理するのに使用する人」
- 「頼りすぎず、頼らなすぎず。全てを聞くのではなく、ヒントを聞く人」
- 「AIの意見を参考にしつつ自分の意見も持っている」
- 「AIに依存しすぎず、主体性を持ちつつ、必要な時だけにAIを利用している人」
- 「自分のアイデアとAIの技術や情報処理能力を融合させて新しいものを生み出している人」
これらの回答に共通するのは、「AIに丸投げするのではなく、あくまで主体性を持ってAIを『道具』として活用する」という姿勢です。
AIはあくまで自分の思考を助け、新たなアイデアを生み出すための補助ツールと捉えられていることがわかります。言い換えれば、Z世代にとってAIとは「答えを教えてくれる存在」ではなく「選択肢を広げる存在」として受け入れられているのかもしれません。
だからこそ、AIに依存しすぎることなく自分自身の価値観や判断軸を軸に据えた上で、必要な場面にだけ適切に取り入れるという“距離感”を保っているといえるでしょう。
このような使い方が浸透すれば、今後ますます多様化する生成AIの機能や役割に対しても柔軟かつ賢明に適応していけるはずです。こうしたスタンスは、テクノロジーとどう向き合うかという問いに対する答えにもなり得るかもしれません。
5. まとめにかえて
Z世代でも生成AI利用率は約半数であり、その利用の頻度も人それぞれだと分かりました。
Z世代は生成AIを単なる新しい技術として楽しむだけでなく、自身の生活や学習をより効率的に進めるための「道具」として捉えています。その付き合い方は過度な依存ではなく、あくまで主体的な思考・判断の補助役として冷静に見極めているようです。
自分の活動や判断のための「道具」として扱っているZ世代だからこそ、今後さらに生成AIが進化することで、生成AIを使ってより面白いものを生み出せるかもしれませんね。
参考資料
- 株式会社MERY【MERY Z世代研究所 AIに関する調査】Z世代の「生成AI」利用率は約半数に留まる結果に。使いこなしている層と、使いたいと思わない層の二極化傾向も。」(PR TIMES)
- 総務省「令和7年版情報通信白書(概要)」
LIMO・U23編集部