2025年8月1日、総務省統計局が2025年6月の「労働力調査」を発表しました。

その結果によると、6月の就業者数は6873万人で前年同月に比べて51万人増加し、35カ月連続のプラスとなったことがわかりました。

20~69歳の就業率は82.3%で、前年同月に比べ0.8ポイントの上昇となっています。ですが、69歳までの集計であることに注意が必要です。

私たちはいつまでもリタイアすることができず、働き続けなければいけないのでしょうか。

今回は、リタイア後の生活費を各調査結果から明らかにすることで、リタイア後の生活のために今からできることを考えていきましょう。

特に50歳以上の方は、リタイアまでの時間が限られており、資産形成の計画を立て直すラストチャンスの時期です。

ぜひ参考にしてみてください。

1. リタイア後の生活費はいくら必要?知っておきたい、平均余命について

平均余命とは、特定の年齢の人々が「あと何年生きられるか」を示す期待値です。

そして、私たちがしばしば使う「平均寿命」という言葉は、「(現時点での)0歳の平均余命」を指します。

2025年7月25日に厚生労働省が公表した「令和6年簡易生命表の概況」によると、最新の平均寿命は男性が81.09年、女性が87.13年でした。

また、平均寿命の長期的な推移を見ると、男女ともに着実に延びています。

  • 昭和30年(1955年) 男63.60 女67.75 男女差4.15
  • 昭和40年(1965年) 男67.74 女72.92 男女差5.18
  • 昭和50年(1975年) 男71.73 女76.89 男女差5.16
  • 昭和60年(1985年) 男74.78 女80.48 男女差5.70
  • 平成7年(1995年) 男76.38 女82.85 男女差6.47
  • 平成17年(2005年) 男78.56 女85.52 男女差6.96
  • 平成27年(2015年) 男80.75 女86.99 男女差6.24
  • 令和6年(2024年) 男81.09 女87.13 男女差6.03

リタイア後の生活が現実味を帯びてくる50代。たとえば50歳時点の平均余命を見ると、男性で約32年、女性で約38年と、老後の時間は想像以上に長いことがわかります。

仮に65歳からリタイア生活に入るとすれば、そこから17〜23年以上の暮らしが続く計算です。その期間に必要となる生活費を、どのように備えていくかが大きなテーマとなるでしょう。

では、実際に老後の生活にはどのような費用がかかるのでしょうか。次に、代表的な生活費の内訳を確認してみましょう。