これから老後を迎える人にとっては、どのように資金をやりくりするか考えている方もいるのではないでしょうか。
2025年の公的年金の受給額は、前年比1.9%増となりましたが、物価上昇率には追い付いていません。シニア世代は、年金だけでは不足する分を貯蓄で補っている場合があります。では、これから年金を受け取り始める60歳代の貯蓄事情はどうなっているのでしょうか。
この記事では、60歳代・おひとりさま世帯の貯蓄額について解説します。
1. 【60歳代・ひとり世帯】みんなの金融資産保有額を見てみよう
60歳代の単身世帯の貯蓄額データをJ-FLEC(金融経済教育推進機構)が実施した「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」から確認してみましょう(金融資産非保有世帯も含まれます)。
- 金融資産非保有:27.7%
- 100万円未満:8.9%
- 100~200万円未満:5.6%
- 200~300万円未満:3%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:2.8%
- 500~700万円未満:5.8%
- 700~1000万円未満:5.1%
- 1000~1500万円未満:8.2%
- 1500~2000万円未満:2.6%
- 2000~3000万円未満:6.1%
- 3000万円以上:16.8%
- 無回答:4.2%
1.1 貯蓄額の平均と中央値を確認
- 平均値:1679万円
- 中央値:350万円
貯蓄の平均額は1679万円であり、その約2倍である「貯蓄3000万円以上」の世帯は全体の16.8%を占めています。
一方で、金融資産を保有していない世帯も27.7%にのぼりました。
中央値が350万円という点からも、貯蓄の有無による二極化が進んでいる傾向が見て取れます。