4. 年金額を増やすためにできることは?

将来の年金額は、「保険料をどれだけ納めたか」「どんな制度に加入していたか」「何歳から受け取るか」などによって異なります。

もうすぐ年金を受け取る人が年金を大きく増やすことは難しいのですが、できないわけではありません。以下の方法で年金額を増額することも可能です。

  • 長く働き、厚生年金加入期間を延ばす
  • 受給開始を繰り下げる
  • iDeCoや企業型DC、NISAなど、将来の資産形成に役立つ制度を活用する

厚生年金は70歳まで加入することができます。少しでも加入期間が延びれば、その分は年金額に上乗せされます。これはパートやアルバイトでも同様です。

長く働くことができれば、年金の繰り下げも検討することができます。65歳以降で1カ月繰り下げるごとに0.7%ずつ増額され、増額された額は一生続きます。

投資の経験があれば、iDeCoやNISAなどの活用も検討しましょう。リタイア後も資産形成を継続し、必要な分だけ取り崩すという投資スタイルであれば続けやすくなります。

5. 自分の年金額を把握して早めの備えを

「46.5万円」は、標準的な夫婦が受け取っている年金額の例(令和7年度)として示されたものです。したがって、実際に各世帯が受け取っている年金額に違いがあることは言うまでもありません。

また、「46.5万円」は一見すると大きい金額ではありますが、余裕がある生活を送るには難しい金額です。

老後には、現役時代には思いもよらない支出が増える可能性があり、医療や介護に関する費用・家の修繕費など、大きな額が必要なときもあります。

このような支出を年金から捻出するのは難しいため、ある程度の預貯金を老後を迎えるまでに確保しておく必要があるでしょう。

自分の受給見込額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で早めに確認し、老後への資金準備を計画的に進めることが、安心できる生活の第一歩となります。

参考資料

厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から1.9%の引上げです~」