5. 気になるみんなの「食費」は月いくら?《年代別》
家計管理の中でも、日常的に意識しやすく、工夫次第で節約しやすい支出のひとつが「食費」かもしれません。
ここで総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)」をもとに、二人以上世帯のひと月の食費の平均を見てみましょう。
全体平均 7万5258円
- ~29歳 5万2413円
- 30~39歳 6万9433円
- 40~49歳 7万9900円
- 50~59歳 8万1051円
- 60~64歳 7万9831円
- 65~69歳 7万7405円
- 70~74歳 7万4322円
- 75~79歳 6万8274円
- 80~84歳 6万6257円
- 85歳~ 6万3347円
二人以上世帯のひと月の食費平均は、50歳代がピークで約8万円。その後60歳以降は徐々に下がり、85歳以上では6万3347円に落ち着きます。
食費は家族の年齢やライフステージにより大きく変動するものですが、所得が低めの世帯では「家計に占める食費の割合(エンゲル係数)」が大きくなりがちです。
物価上昇が続くいま、食料品の値動きを観察しながら、食生活や家計全体を上手に管理していけたら良いですね。
6. 老後に増えるかもしれない「負担」も考慮して対策を進めよう
本記事では、シニア世代の「貯蓄額・年金額・生活費」の平均額をご紹介しました。
平均的な暮らしが「赤字」であることは、決して見過ごすことができない重大なことです。現役世代の皆さんは、自分の場合、老後生活の収支がどれくらいになり、赤字になる場合にはそれが月いくらかを試算しておきましょう。
老後に受給する年金額がいくらになるかは、年金受給開始が近づかなければ明確にはわかりませんが、見込額を「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で把握できますのでチェックしてみてください。
おおよその老後の家計収支が試算できたら、ここに「老後に増えるかもしれない負担」も考慮して対策を検討してみると良いでしょう。
- 将来、インフレによりモノやサービスの価格が高くなる可能性があります
- 国民健康保険料(または後期高齢者医療保険料)、介護保険料の負担が増える可能性があります
- 医療費の負担が増える可能性があります
- 介護費用が発生する可能性があります
- 賃貸住まいの場合は、賃料が上がる可能性があります
このように、将来、支出の部分が増える可能性があることを踏まえて、老後資金に厚みを持たせておけるのが理想です。
老後資金の確保は簡単なことではありませんので、まずは最低限の生活を維持できるであろう金額を目指して準備を進めていけると良いでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」
- 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)第3-2表」
和田 直子