4. まとめにかえて
今回は、働くシニアを支援する雇用保険の手当や給付金、そして老齢年金に上乗せされる5つの制度をご紹介しました。これらの公的なお金は、ご自身で申請することで初めて受け取ることができます。
60歳代以降の給与減少は避けられないケースが多いですが、再就職手当や高年齢雇用継続給付、高年齢求職者給付金といった雇用保険関連の制度が経済的な支えになります。また、年金受給中の生活を支える制度として、所得に応じて年金生活者支援給付金が、扶養家族がいる場合には加給年金が年金に上乗せされる可能性があります。
さらに、2026年4月からは在職老齢年金制度の見直しにより、厚生年金をもらいながら働く際の年金減額基準額が引き上げられ、より多くのシニアが年金を全額受給できるようになります。これらの制度を上手に活用することで、60歳代以降も経済的な不安を減らし、自分らしい働き方や豊かな生活を実現できるでしょう。まずはご自身が対象となる制度がないか、確認してみてはいかがでしょうか。。
参考資料
- 内閣府「令和7年版高齢社会白書」第2節 高齢期の暮らしの動向1 就業・所得
- 国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」
- 厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」
- 厚生労働省「年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整」
- 厚生労働省「再就職手当のご案内」
- 厚生労働省「離職されたみなさまへ<高年齢求職者給付金のご案内>」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「か行 加給年金額」
- 日本年金機構「加給年金額と振替加算」
- 厚生労働省「令和7年版高齢社会白書」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
村岸 理美