来月の年金支給日を前に今後の家計管理に思いをめぐらす方もいる中、「そもそも年金ってどんな仕組みなの?」そう思っていませんか?日本の公的年金制度は、基礎にあたる「国民年金」と、それに上乗せする「厚生年金」という2つの柱で、よく「2階建て構造」に例えられます。

厚生年金と国民年金の仕組み1/13

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

国民年金は日本に住む20歳以上60歳未満の全員が加入し保険料は一律ですが、会社員などが加入する厚生年金は収入に応じて保険料が変わります。今回は、この年金制度の基本的な仕組みを解説、2025年度の年金額改定情報に加え、厚生労働省の最新データをもとに年齢別や男女別の平均年金月額を詳しく見ていきます。

1. 2025年度は年金が「1.9%増額」!国民年金・厚生年金の改定額

年金額は毎年度改定されますが、2025年度の年金額例は以下の通りとなっています。

1.1 2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):6万9308円(+1308円)
  • 厚生年金(夫婦2人分):23万2784円(+4412円)

※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

2025年度は前年度に比べて1.9%の増額となり、国民年金は満額で月6万9308円です。

厚生年金は「会社員の夫と専業主婦(国民年金のみ)の妻」の世帯をモデルとして、月23万2784円です。

2. 【年齢別】60歳代から90歳代以上まで!厚生年金「平均月額」一覧

厚生労働省年金局が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、平均年金月額を年齢ごとに確認してみましょう。

まずは厚生年金です。

2.1 【60歳代(60〜69歳)】厚生年金の年金一覧表

  • 60歳:厚生年金9万6492円
  • 61歳:厚生年金10万317円
  • 62歳:厚生年金6万3244円
  • 63歳:厚生年金6万5313円
  • 64歳:厚生年金8万1700円
  • 65歳:厚生年金14万5876円
  • 66歳:厚生年金14万8285円
  • 67歳:厚生年金14万9205円
  • 68歳:厚生年金14万7862円
  • 69歳:厚生年金14万5960円

2.2 【70歳代(70〜79歳)】厚生年金の年金一覧表

  • 70歳:厚生年金14万4773円
  • 71歳:厚生年金14万3521円
  • 72歳:厚生年金14万2248円
  • 73歳:厚生年金14万4251円
  • 74歳:厚生年金14万7684円
  • 75歳:厚生年金14万7455円
  • 76歳:厚生年金14万7152円
  • 77歳:厚生年金14万7070円
  • 78歳:厚生年金14万9232円
  • 79歳:厚生年金14万9883円

2.3 【80歳代(80〜89歳)】厚生年金の年金一覧表

  • 80歳:厚生年金15万1580円
  • 81歳:厚生年金15万3834円
  • 82歳:厚生年金15万6103円
  • 83歳:厚生年金15万8631円
  • 84歳:厚生年金16万59円
  • 85歳:厚生年金16万1684円
  • 86歳:厚生年金16万1870円
  • 87歳:厚生年金16万2514円
  • 88歳:厚生年金16万3198円
  • 89歳:厚生年金16万2841円

2.4 【90歳以上】厚生年金の年金一覧表

  • 90歳以上:厚生年金16万721円

※厚生年金には国民年金部分が含まれる。

※65歳未満の厚生年金受給者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢が引き上げられたため、報酬比例部分のみ受給している方も含む。

年金受給開始年齢は一般的に65歳からですが、65歳以降で見ると、厚生年金の平均年金月額は14~16万円台でした。

3. 【年齢別】60歳代から90歳代以上まで!国民年金「平均月額」一覧

次に国民年金を確認します。

3.1 【60歳代(60〜69歳)】国民年金の年金一覧表

  • 60歳:国民年金4万3638円
  • 61歳:国民年金4万4663円
  • 62歳:国民年金4万3477円
  • 63歳:国民年金4万5035円
  • 64歳:国民年金4万6053円
  • 65歳:国民年金5万9599円
  • 66歳:国民年金5万9510円
  • 67歳:国民年金5万9475円
  • 68歳:国民年金5万9194円
  • 69歳:国民年金5万8972円

3.2 【70歳代(70〜79歳)】国民年金の年金一覧表

  • 70歳:国民年金5万8956円
  • 71歳:国民年金5万8569円
  • 72歳:国民年金5万8429円
  • 73歳:国民年金5万8220円
  • 74歳:国民年金5万8070円
  • 75歳:国民年金5万7973円
  • 76歳:国民年金5万7774円
  • 77歳:国民年金5万7561円
  • 78歳:国民年金5万7119円
  • 79歳:国民年金5万7078円

3.3 【80歳代(80〜89歳)】国民年金の年金一覧表

  • 80歳:国民年金5万6736円
  • 81歳:国民年金5万6487円
  • 82歳:国民年金5万6351円
  • 83歳:国民年金5万8112円
  • 84歳:国民年金5万7879円
  • 85歳:国民年金5万7693円
  • 86歳:国民年金5万7685円
  • 87歳:国民年金5万7244円
  • 88歳:国民年金5万7076円
  • 89歳:国民年金5万6796円

3.4 【90歳以上】国民年金の年金一覧表

  • 90歳以上:国民年金5万3621円

※65歳未満で受給している国民年金の受給者は繰上げ受給を選択した方。

65歳以降の国民年金の平均年金月額は、いずれの年齢も5万円台でした。

4. 厚生年金の「受給者数分布」

年齢ごとの平均年金月額は確認しました。では、全体の平均年金月額はいくらなのでしょうか。

厚生年金と国民年金の平均年金月額と、1万円刻みの受給権者数も確認してみましょう。

4.1 「厚生年金」の平均年金月額

  • 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万7200円

※国民年金部分を含む

年金月額階級ごとの受給権者数

  • 1万円未満:4万4420人
  • 1万円以上~2万円未満:1万4367人
  • 2万円以上~3万円未満:5万231人
  • 3万円以上~4万円未満:9万2746人
  • 4万円以上~5万円未満:9万8464人
  • 5万円以上~6万円未満:13万6190人
  • 6万円以上~7万円未満:37万5940人
  • 7万円以上~8万円未満:63万7624人
  • 8万円以上~9万円未満:87万3828人
  • 9万円以上~10万円未満:107万9767人
  • 10万円以上~11万円未満:112万6181人
  • 11万円以上~12万円未満:105万4333人
  • 12万円以上~13万円未満:95万7855人
  • 13万円以上~14万円未満:92万3629人
  • 14万円以上~15万円未満:94万5907人
  • 15万円以上~16万円未満:98万6257人
  • 16万円以上~17万円未満:102万6399人
  • 17万円以上~18万円未満:105万3851人
  • 18万円以上~19万円未満:102万2699人
  • 19万円以上~20万円未満:93万6884人
  • 20万円以上~21万円未満:80万1770人
  • 21万円以上~22万円未満:62万6732人
  • 22万円以上~23万円未満:43万6137人
  • 23万円以上~24万円未満:28万6572人
  • 24万円以上~25万円未満:18万9132人
  • 25万円以上~26万円未満:11万9942人
  • 26万円以上~27万円未満:7万1648人
  • 27万円以上~28万円未満:4万268人
  • 28万円以上~29万円未満:2万1012人
  • 29万円以上~30万円未満:9652人
  • 30万円以上~:1万4292人

厚生年金の平均年金月額は、全体で14万6429円でした。

男女別に見てみると、男性は16万6606円、女性は10万7200円となっています。

また、1万円刻みにおけるボリュームゾーンを見ると、100万人を超えているのは年金月額が「9万~12万円未満」および「16万~19万円未満」でした。

4.2 「国民年金(老齢基礎年金)」の平均年金月額

国民年金は以下の通りです。

  • 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
  • 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万5777円

年金月額階級ごとの受給者数

  • 1万円未満:5万8811人
  • 1万円以上~2万円未満:24万5852人
  • 2万円以上~3万円未満:78万8047人
  • 3万円以上~4万円未満:236万5373人
  • 4万円以上~5万円未満:431万5062人
  • 5万円以上~6万円未満:743万2768人
  • 6万円以上~7万円未満:1597万6775人
  • 7万円以上~:227万3098人

国民年金の場合、平均年金月額は全体・男女とも5万円台です。

金額ごとに見てみると、「6万円以上~7万円未満」が最も多く、次に「5万円以上~6万円未満」、「4万円以上~5万円未満」と続いています。

5. シニア世帯の約4割は「年金収入のみ」所得構成の実態

厚生労働省が公表した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯(※)の収入の実態を見ていきましょう。

まず、高齢者世帯全体の平均的な所得構成を見ると、収入の63.5%を「公的年金・恩給」が占めており、次いで仕事による収入である「稼働所得」が25.3%、「財産所得」が4.6%となっています。

しかし、これはあくまで全体の平均値です。

「公的年金・恩給を受給している世帯」に絞ると、収入の全てが「公的年金・恩給」である世帯が43.4%にものぼることがわかっています。

※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯

5.1 【総所得に占める公的年金・恩給の割合別 世帯構成】

  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯:43.4%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が80~100%未満の世帯:16.4%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満の世帯:15.2%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満の世帯:12.9%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~40%未満の世帯:8.2%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満の世帯:4.0%

このようにシニア全体で見れば稼働所得なども一定の割合を占めていますが、年金受給世帯に絞ると、その半数近くが公的年金収入のみに頼って生活しているという実態が浮き彫りとなっています。

6. 未来の年金生活を具体的にイメージし、安心な老後を築くために

まとめると、日本の公的年金制度は国民年金と厚生年金の2階建て構造であり、2025年度は年金額が増額されます。ご自身の年金額が年齢や男女によってどのように異なるのか、そして多くのシニア世帯が公的年金に大きく依存している現状を理解することは、将来の生活設計において非常に重要です。平均額や全体の傾向を知り、ご自身の状況と照らし合わせながら、必要な備えを検討していくことで、より安心で豊かな老後生活を築いていきましょう。

参考資料

村岸 理美