2. いま始めたい「デジタル終活」3つのステップ
筆者自身も、ファイナンシャルプランナーとしてお客様から相続や終活に関する相談を受けてきた中で「デジタル終活」の必要性を実感しています。「終活」と聞くと重く感じるかもしれませんが、今の状況をシンプルに見直す良い機会にもなります。「デジタル終活」は3つのステップで進めることをおすすめします。
2.1 ステップ①デジタル情報の洗い出し
まずは、自分がどんなデジタル情報を持っているのかを整理します。特に重要なのが、スマートフォンやパソコンのロック解除方法(パスコード・指紋・顔認証など)や、各種アカウントのID・パスワード情報の管理です。これらが不明なままでは、たとえ情報が残っていても、家族がアクセスできずに困る原因になってしまいます。
そのうえで、写真・動画、連絡先、SNSや通販、ネット銀行などのアカウント情報をリストアップしましょう。あわせて、すでに使っていないサービスや不要なデータがあれば、この段階で削除しておくのもおすすめです。
2.2 ステップ②「残す」か「消す」に仕分け
ここでの「残す」「消す」は、自分が亡くなった後にどうするかを基準に判断します。大切な写真や金融情報などは「残す」情報として適切に保管し、不要な連絡先やアカウントは「消す」情報として削除しておくと、死後のトラブルを防げます。今のうちに方針を決めておくことで、家族の負担を軽くすることにもつながります。
特に連絡先については、誰に死後の連絡をするか・しないかといった対応の範囲もあらかじめ考えておくと、残された家族が判断に迷うことがなく安心です。
2.3 ステップ③ エンディングノートなどに記録
仕分けた内容や、残す情報のアクセス方法を「エンディングノート」などに記録します。フォルダの場所やパスワード、データの処分方法なども明確に書き残すことで、家族の負担を大きく減らせます。
日々の暮らしをより安心して過ごすためにも、今のうちからできることから始めてみてはいかがでしょうか。