5.1 《国民年金》年金の繰上げ受給状況
国民年金の受給権者(厚生年金保険の受給権を有しない)の繰上げ受給率は、上表のとおり、令和元年度以降、年々、減少傾向にあります。
令和元年度の受給率は29.5%でしたが、令和5年度には5ポイント減の24.5%に。
5.2 《厚生年金》年金の繰上げ受給状況
厚生年金の繰上げ受給率は上表のとおり。こちらは国民年金とは逆に、年々上昇傾向にあります。
令和元年度の繰上げ受給率は0.4%でしたが、令和5年度には0.9%に。
現時点では、まだ繰上げ受給を選ぶ人の割合は高いとはいえません。
しかし、働き方やライフスタイルが多様化している今、繰上げ受給は老後の選択肢のひとつとして検討される場面が増えるかもしれません。
6. まとめ
ワークスタイルやライフスタイルは多様化しています。
さまざまな価値観が受けいれられやすい時代。老後の過ごし方も人それぞれです。
自分が理想とする老後生活を送るために最適な方法は何か?を考えた時に、年金の繰上げ受給が視野に入ってくるかもしれません。
年金の繰上げ受給の最大のメリットは「年金を早く受け取れること」、最大のデメリットは「本来受給できる年金額から減ってしまうこと」でしょう。
これ以外にもメリット・デメリットがあるため、自身のケースにあてはめて考えることが大切です。
参考資料
和田 直子
執筆者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
元銀行員/一種外務員資格(証券外務員一種)/LIMOマネー編集部金融ライター
一種外務員資格(証券外務員一種)。大学卒業後、株式会社三菱UFJ銀行に入社。三井住友信託銀行に転職後、資産運用アドバイザー業務に約10年間従事。
現役世代からシニア富裕層までの幅広い個人顧客に対し、資産運用コンサルティングを行う。
<主な専門領域>
投資信託、ファンドラップ、外貨預金、生命保険、医療保険、住宅ローン、事業性ローン、贈与、相続、遺言信託、不動産など、多岐にわたる金融サービスと承継対策をワンストップで提案。特に、長期的な資産形成や富裕層向けのウェルスマネジメント、シニア世代への承継・相続の分野で豊富な知識と実績を持ち、表彰歴多数。
現在は、株式会社モニクルリサーチが運営する「くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のマネー編集部にて企画・執筆・編集・監修を担当。
厚生年金保険と国民年金保険(老齢年金・障害年金・遺族年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、資産運用を専門とする。
NISA、iDeCo、住宅ローン、カードローンなどの国民生活に直結する金融情報を始め、FX、株式投資、金(ゴールド)などの投資経験をいかし仕組みやリスクなどを分かりやすく解説。Yahoo!ニュース経済カテゴリでアクセスランキング1位を多数達成【2025年10月7日更新】