4. 初任給が高い企業へのイメージは「昇給」が気になる?
初任給が高い企業に対して、就活生はどのようなイメージを抱いているのでしょうか。
「初任給が高い企業に対するイメージ」で最も多かったのは「長期的な昇給が気になる」(61人)でした。次いで「求められるレベルが高そう」(59人)、「激務である可能性がある」(51人)と続きます。
一方で「入社意欲が高まる」(43人)、「優秀な人が集まりそう」(41人)、「働きがいがありそう」(39人)といったポジティブなイメージも上位に挙がっています。
この結果から、就活生は初任給が高いことに魅力を感じる一方で、「それに見合う働きが求められるのではないか」「長期的なキャリアで本当に安定しているのか」といった、より現実的かつ長期的な視点を持っていることが伺えます。
単に初任給が高いだけでなく、その後の昇給や働き方についても考えて企業を選択しているようです。
また、この調査には項目がありませんでしたが、筆者が就活をしていた際には提示された給与に「固定残業代が含まれているかどうか」を確認していました。
給与に固定残業代が含まれている場合は、その固定残業の時間を確認しました。仮に固定残業時間が多い場合には「残業が多いのかもしれない」とも考え、意思決定の参考にしていました。
そうした疑問点が出てきた企業に対しては、社員の方に働き方や残業時間などを尋ねることで、実際の働き方を知るようにして、先入観だけで判断しないようにしました。
いずれにせよ、「初任給が高い」ということだけで勝手にイメージを持たず、実態がどうであるかを調べる必要がありますね。
5. まとめ:初任給は重要だが、その後の「成長」と「安定」もカギ
今回の調査結果から、就活生にとって初任給は企業選択において非常に重要な要素であり、少しの引き上げでも志望度が変わることがわかりました。
しかしその一方で、初任給が高い企業に対しては「長期的な昇給」や「求められるレベルの高さ」「激務の可能性」といった、入社後のキャリアや働き方に関する懸念も同時に抱いていることが明らかになりました。
企業側は、初任給の魅力を伝えるだけでなく、入社後の具体的な昇給モデルやキャリアパス、働きがいのある職場環境を伝えることが、就活生の心を掴む上で重要になると考えられます。
就活生にとっては、現状の就活では具体的な昇給イメージは見ることができないかもしれませんが、働き方やキャリアパスは多くの企業で教えてもらえるようです。
そのため、提示された初任給だけで判断するのではなく、その企業で長期的にどのように成長し、働き続けられるのかという視点を持って企業選びを進めることで、納得のいく就職活動になるでしょう。
参考資料
- 【調査レポート】就活生の理想の初任給は29.6万円 | 初任給の高い企業に対するイメージ「長期的な昇給が気になる」 | 株式会社Synergy Career
- 令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省
LIMO・U23編集部