2. 初任給の現実は?

では、実際の就職予定企業の初任給はどうなっているのでしょうか?

26卒就活生が実際に就職する予定の企業の初任給と、一般的な大卒者の初任給平均を見てみましょう。

2.1 26卒就活生の就職予定企業の初任給を見る

「実際の就職予定の企業の初任給」を見ると、最も多かったのは「21万~25万円」で60人でした。「26万~30万円」は35人にとどまり、理想とする初任給との間には少し差があることがうかがえます。

また、「内定先は決まっていない」と回答した人も73人おり、6月時点では一定数の就活生がまだ内定を得ていない状況であることもわかります。

2.2 2023年の大卒者の初任給はいくらだった?

新規学卒者の性、学歴別賃金及び対前年増減率

出所:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」

厚生労働省が公表している「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」から、2023年の大卒者初任給の平均を見ていきましょう。
大卒者の初任給の平均は24万8300円でした。男性が25万1300円、女性が24万4900円となっており、全体平均では25万円ほどとなっています。

これらの結果から、就活生の理想として最も多かった「26万~30万円」は平均よりやや高い水準であり、やはり少し差があるとわかりました。ただ、報道などで見る通り初任給の引き上げが続いていることを考えれば、26卒就活生が「26万~30万円」を希望することにも頷けます。

3. 初任給が「3万円以上」上がると、就活生の志望度は一気に高まる

それでは、企業が初任給を引き上げた場合、就活生の志望度はどの程度の変化をするのでしょうか。

「企業への志望度が上がる初任給の引き上げ額」について尋ねたところ、「3万円」で志望度が上がると回答した人が最も多く74人でした。次いで「5万円」が43人、「1万円」が14人となっています。

つまり、企業が初任給を少し上げるだけでも、多くの就活生にとって魅力的に映り、志望度向上に繋がりやすいことがわかります。

一方で、初任給の引き上げがなされても「志望度は変わらない」と回答した人も52人いました。
初任給も重要な要素ではあるものの、それだけではなく様々な観点から志望企業を選択していることがわかりますね。