2025年も8月が終わりを迎え、夏休みも残すところあとわずかとなりました。秋の行楽シーズンが待ち遠しい季節ですが、同時に将来のお金について考えるのに良い時期でもあります。
老後の生活を支える柱である公的年金は、多くの方が加入している制度です。しかし、将来自分がいくらもらえるのか、年金だけで生活が成り立つのかといった具体的なイメージを持っている人は少ないかもしれません。特に、物価高が家計を圧迫している今、年金収入への不安はより一層高まっています。
この記事では、日本の公的年金制度の基本構造から、年金生活者支援給付金の仕組み、さらには都道府県別の給付総額や平均年金月額といった統計データまで、多角的な視点から解説します。年金制度を正しく理解し、ご自身の将来に備えるヒントとしてお役立てください。
1. 公的年金は2階建て構造
まずは公的年金の基本情報として、その仕組みを押さえておきましょう。
日本の公的年金は、1階部分にあたる「国民年金」と2階部分にあたる「厚生年金」から成り立っています。
国民年金の加入対象は、原則として、国内在住の20歳以上60歳未満の全ての人で、年金保険料(※1)は全員一律です。一方、厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入し、収入に応じた年金保険料(※2)を納めます。
国民年金は、年金保険料を全期間(480月)納付すると、65歳で満額(※3)を受給できます。未納期間に応じて満額から差し引かれるという仕組みです。
※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円
※2 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※3 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円