たとえば、回転寿司チェーン店、「スシロー」では、外国人YouTuberが無許可でレーン上にカメラを載せ撮影したことから、撮影者に対し法的処置を行うとする声明文を発表しました。
他にも、「サイゼリヤ」で動画企画によって大量の食べ残しを発生させたYouTuber、選挙掲示板に自分の顔写真を貼った様子を撮影し投稿した未成年のYouTuber、ハチ公前広場で通行人に胸を触らせたとして書類送検されたYouTuber、など枚挙に暇(いとま)がありません。
後から簡単には消せない「デジタルタトゥー」
非日常ではしゃぎすぎた浮ついた気持ちや、目立ちたいといった軽い気持ちで、迷惑行為そのものの動画や写真を投稿してしまう若者は少なくありませんが、彼らはそのことに対するリスクを知っているのでしょうか?
一度ネットにアップロードされた動画や写真は、拡散されるにつれて複製・転載され、元の動画や写真を削除してもコピーが一生出回ることにもなりかねません。いわゆる本式の入れ墨(タトゥー)は、いったん入れると簡単には消せないものですが、ネットに上がった動画や写真も、後から簡単には消せない「デジタルタトゥー」になりがちです。
また、個人情報の面でもリスクが存在します。顔はもちろん、プロフィールや制服などの服装、撮影場所などと、SNSなどで何気なく公開している情報を突き合わせて、学校名や職場、個人名まで特定されることもあります。そこから学校や職場先に連絡が行って迷惑行為がバレてしまい、よくて停学や謹慎、最悪の場合は推薦や内定が取り消しになったり、職場をクビになったりするケースは少なくありません。
「投稿は慎重に」がやはり基本
また、炎上した際には、悪ノリした集団が「社会的制裁」として、上記のような本人・家族の個人情報を晒したり、学校や職場に電話抗議したり、自宅に押しかけてくるケースも見受けられます。そうしたことを非難すると「反省が見られない」と炎上がさらに加速するという悪循環に陥ることさえあります。
以上の点を踏まえると、動画や写真を投稿する際は、やはり慎重に、リスクをよく考えて行うほうがいいでしょう。そして、当たり前のことですが、そもそも何かしら撮影する際は、必ずその場のマナーやルールを考え、それらを守って撮ってほしいものです。
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