夏真っ盛りの2025年7月、各地で夏祭りが開催され、活気に満ちています。このような賑やかな季節ですが、一方で将来への備えとして、老後の生活資金について真剣に考えている方も多いのではないでしょうか。
特に、公的年金は私たちの老後を支える重要な制度ですが、その仕組みや自分がいくら受け取れるのかを正確に理解している人は意外と少ないかもしれません。
日本の年金制度は国民年金と厚生年金の「2階建て」であり、現役時代の働き方によって受給額に大きな差が出ます。厚生労働省が発表した2025年度の年金額改定や、働き方別の年金額例、さらには年齢や男女別の平均受給額を見ると、皆さんの年金に対する疑問が解消されることでしょう。
本記事で、ご自身の年金について深く理解し、未来に向けた準備を始めましょう。
1. 公的年金の仕組み
「日本の年金制度は2階建て」としばしば表現されます。これは、1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」と2階部分に当たる「厚生年金」から成り立つためです。
それぞれの年金の基本をおさらいしておきましょう。
1.1 1階部分:国民年金
加入対象者はどんな人?
- 原則として日本に住む20歳から60歳未満の全員(職業や国籍は問わない)
年金保険料はいくら?
- 全員一律、ただし年度ごとに改定あり(※1)
老後の受給額はどう決まる?
- 保険料を全期間(480カ月)納付すれば満額の老齢基礎年金を受給できる(※2)
※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円
1.2 2階部分:厚生年金
加入対象者はどんな人?
- 会社員や公務員、またパートで特定適用事業所(※3)に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入
年金保険料はいくら?
- 収入に応じて(上限あり)変わる(※4)
老後の受給額はどう決まる?
- 加入期間や納めた保険料により個人差が大きく出やすい
このように、国民年金と厚生年金では、加入対象や年金保険料の決まり方、老後の年金額の計算方法などが異なります。そのため現役時代の年金加入状況により、実際の受給額には個人差が出ます。
次では厚生労働省が公表した、2025年度の年金額改定について見ていきます。
※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。