6. 【グラフ】厚生年金・国民年金《全体平均と個人差》を整理
ここからは、厚生年金と国民年金の平均と個人差を、60歳以上の全年齢の受給権者のデータで見ていきます。
【国民年金】平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
【厚生年金】平均年金月額
※国民年金部分を含む
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
国民年金の場合、全体、男女ともに平均月額は5万円台です。受給額ゾーンごとにみると「6万円以上~7万円未満」が男女ともに最も多くなっており、満額に近い金額を受け取れている人が多いことも分かります。
厚生年金の平均月額は全体で14万円台でした。男女別にみると男性は16万円台、女性は10万円台です。
国民年金のみを受け取る場合よりも受給額は手厚い傾向にはありますが、3万円未満の低年金となる人から、25万円以上の高額受給となる人まで個人差があります。
老後の年金受給額は現役時代の働き方や収入が反映されるため、個人差が出ます。
「自分の年金はいくらだろう」と思った人は、ねんきんネットやねんきん定期便を活用して、見込み額を把握しておきましょう。
なお、年金を受け取っている人は、日本年金機構から届く「年金額改定通知書」「年金振込通知書」で確認ができます。次で昨年の発送スケジュールを見てみましょう。
7. 「物価上昇」まで見据えた資産形成を
本記事では、日本の年金制度の仕組みや受給額について解説してきました。
先述の通り年金受給額には個人差がありますので、自分の場合いくらもらえるのかを早めに知っておくといいでしょう。
昨今の物価上昇を考えると、退職して給与収入がなくなってから予想以上に出費がかさむこともあるかもしれません。
そのような状況になった時にお金がなくて困ってしまうことがないようにしておきたいですね。
年金だけでの生活が難しくなってしまった場合でも取り崩せる資金準備ができるよう、給与収入があるうちに、無理のない範囲で貯蓄をしていきましょう。
現在はNISAやiDeCoなど税制優遇がありながら資産運用ができる制度もありますので、自分に合っていると感じた方は取り入れてみるものいいでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします ~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金の繰上げ受給」
- 日本年金機構「年金額改定通知書」と「年金振込通知書」(年金受給者用:はがきサイズ)
- 日本年金機構「改定後の年金額のお知らせ(年金額改定通知書)は、いつ送付されますか。」
- 日本年金機構「令和7年度の年金額および年金生活者支援給付金支給金額の改定について」
矢武 ひかる