「収入が不安定で大変」というイメージがついて回り、あまり積極的になる人は多くなかった“フリーランス”という働き方。しかしフリーランスは、子育て世代の女性が家庭と仕事の両立をする上では、とてもメリットが多いと言えます。

ウェブとアプリのラーニングスタジオ、デジタルハリウッドSTUDIO新宿は先日、女性の働き方の可能性を探るトークイベントを開催。

育児休暇中の時間を使ってデジタルハリウッドの「Webデザイナー専攻 主婦・ママクラス」を受講し、会社勤めからフリーのウェブデザイナーに転身した尾関日奈子さんと、『一生困らない 女子のための「手に職」図鑑』(光文社)の著者で、同じく会社勤めからフリーのライターに転身した華井由利奈さんが登壇しました。

フリーランスという働き方で、会社員時代よりも年収が3倍になったという尾関さんと、700人以上の「手に職」を持つ女性を取材してきた華井さんの話から、子育てをしながらフリーランスという働き方で年収を3倍に引き上げるコツを探ります。

独立前に通う学校やセミナーはスキルアップだけでなく人脈作りにも

働いた分だけ自分の収入になるフリーランス。会社に縛られず、自分のペースで仕事ができるのは確かに大きなメリットですが、仕事の獲得の仕方や収入アップの方法を心得ておかなければ、生活が立ち行かなくなってしまいます。

2人のお子さんを持つ尾関さんは、第1子の産休中、デジタルハリウッドの「Webデザイナー専攻 主婦・ママクラス」に約7カ月通学。初期投資には70~80万円ほどかかったものの、フリーランスで仕事を始めてから3カ月ほどで初期投資分を回収できました。

フリーランスとして独立してからの仕事は、デジタルハリウッドで得た人脈が中心。仕事の連絡は同級生だけでなく、卒業生からもあると言い、横のつながりだけでなく縦のつながりもあるそう。仕事を始める前に学校やセミナーに通うことは、単にスキルを習得することに止まらず、こうした人脈作りもできるというメリットがあります。

華井さんも、フリーランスとして独立する前に通っていたセミナーのつながりで仕事をもらうことが多く、毎年行われるセミナーの懇親会で知り合う編集者や広告関係者と人脈ができていくと言います。尾関さん、華井さんとも「営業はほとんどしない」と話していました。

子育てをしていると時間がないため、なかなか新たなクライアントを探したり、営業活動をしたりといったことが難しくなります。ベストなのは、待っていても仕事が来る状態。仕事を紹介してくれる人脈をいかに作っていくかが求められるので、学校やセミナーに通う受講料は、長い目で見れば決して高くはないでしょう。

フリーランスは末端の仕事。安く使われないためには?

自分でクライアントや仕事が選べるメリットもあるフリーランス。自分の価値を自分で決められるため、クライアントとのお金の交渉も多くあります。そして、「この仕事、いくらでできますか?」と聞かれることもしばしば。