7月に入り、企業にお勤めの方の中にはボーナスを受け取った方もいるかもしれません。ただ、「支払いに回したらあっという間になくなった」という声も多く聞かれます。筆者がマネースクール講師をしていた頃も、ちょうどこの時期は夏休みの計画を立てる方が増え、「これからまたお金を使いそうで怖い」といった不安の声がよく寄せられました。今回は、J-FLECの調査をもとに、貯蓄ゼロからでも始められる「お金の整え方3ステップ」を紹介します。
1. 【40歳代】「資産運用にまわすお金なんてない!」約25%が金融資産ゼロ
まずは、J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」40歳代二人以上世帯の金融資産保有額階層ごと世帯割合(金融資産を保有していない世帯を含む)についてみていきましょう。
※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
J-FLECの2024年調査によると、40歳代・二人以上世帯のうち25.7%が金融資産がゼロの状況です。「資産運用にまわすお金なんてない!」という声も聞こえてくるように、生活費で手いっぱいな世帯も少なくないのが現実です。金融資産100万円未満の層が11.2%、100〜300万円未満まで含めると、300万円未満の世帯は全体の約4分の1にのぼります。3000万円以上保有している層は6.5%いますが、中央値は250万円と「実際には少額しか保有していない世帯」が多いことがうかがえます。「平均944万円」という数字は一部の資産を多く保有している層が押し上げており、あくまで参考値にすぎません。
「自分だけが貯められていないわけではない」とわかると、気持ちが少しラクになるものです。まわりの状況を知ることで冷静に自分の家計を見直すきっかけになり、「まずはできることから始めてみよう」と前向きな一歩を踏み出しやすくなります。