2024年7月3日に一万円、五千円、千円の新紙幣が発行され、1年が経過しました。はじめは物珍しかったデザインも、次第に見慣れてきた人も多いのではないでしょうか。

徐々に新紙幣の流通量が増えていく中で気になるのが、旧紙幣でしまい込んでいるタンス預金についてです。

この記事では、「タンス預金は旧紙幣のままでも問題ない?」という疑問について、元銀行員の筆者が回答していきます。

後半ではタンス預金を行うときに知っておきたい3つのポイントについても解説しますので、資産の保管について考えるときの参考にしてください。

1. 発行されなくなった古いお札も使うことができる

新紙幣の発行から1年が経過しましたが、旧紙幣が使えなくなったわけではありません。日本銀行は1885年に初めて紙幣を発行してから、現在まで全部で56種類のお札を発行しています。

そのうち、25種類については現在もお金として使うことができます。一度発行されたお金は、法的な措置が取られない限り通貨としての効力を失わないためです。

もちろん私たちが見慣れている福沢諭吉や樋口一葉がデザインされた旧紙幣も、引き続き通貨として使うことができますので、タンス預金として貯めているものも問題ないといえるでしょう。

とはいえ、タンス預金を行うときにはいくつか知っておきたいポイントがあります。次の章でくわしく解説していきましょう。