3. 「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」を活用しよう
相続手続きが完了するまでは、原則として故人の口座からお金を引き出せないため、故人の葬儀費用や遺族の当面の生活費など、必要なお金が用意できないことがあります。
そこで、平成30年7月の民法改正により「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」が設けられ、故人の口座の一定金額まで引き出すことが可能になりました。
3.1 「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」引き出し可能額
各相続人が、家庭裁判所の判断を経ずに口座から引き出せるのは、以下の計算式で求めた金額です(口座ごと)。
相続開始時の預金額=(口座・明細基準)×1/3×払戻しをする相続人の法定相続分
例えば、相続人が長女・次女の2名であり、相続開始時の預金額が1口座の普通預金720万円だった場合、長女が家庭裁判所の判断なしでひとりで引き出せる金額は120万円までです。
計算)720万円×1/3×1/2=120万円
ただし、同じ銀行内に複数の支店に口座がある場合は、合計で150万円が上限になる点に注意しましょう。
3.2 「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」必要書類
遺産分割前の相続預金の払戻し制度でお金を引き出す際には、以下の書類が必要です。
- 被相続人の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書(出生から死亡までの連続したもの)
- 相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
- 預金の払戻しをする方の印鑑証明書
銀行によっては他の書類が必要になることもあるため、事前に問い合わせて用意したうえで引き出すとスムーズに引き出せるでしょう。
著者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会認定AFP、一種外務員資格(証券外務員一種)、日本商工会議所簿記検定試験2級、年金アドバイザー3級。JAバンク(金融窓口業務)や税理士事務所、また医療系公益財団法人で社会保険関係・給与計算関係・雇用保険関係・福利厚生関係などを行う。結婚を機に退職し、現在は自分らしい働き方を探し金融系・保険関係ライターとして執筆活動中。お金に関する知識を詳しくわかりやすく伝えることをモットーとする。
監修者
私たちは、保険会社・大手銀行・証券会社など金融機関での勤務経験を有したメンバーで構成する、株式会社モニクルリサーチ運営の『LIMO(リーモ)〜くらしとお金の経済メディア〜』のマネー編集部です。
三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子・株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵・SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか・日本生命保険相互会社出身の村岸理美などを中心としたメンバーで構成。それぞれが大手金融機関にて主にリテール・法人・富裕層向けの資産にまつわるアドバイス業務を経験。主に国内外株式の仲介、国内外の債券、投資信託、生命保険の販売業務に従事し、トップセールスで多数の表彰歴を持つ人や、研修講師として年間100回超の登壇経験を持つ元研修講師なども在籍。
専門性の高いテーマで年間8000本以上の企画・執筆・編集・監修の実績があり、特に以下の分野を中心に、厚生労働省・金融庁・総務省などの官公庁の一次情報をベースに記事を企画・執筆・編集している。
【主な執筆分野】
公的年金制度(厚生年金保険・国民年金)、社会保障制度、相続・贈与・退職金、NISA・iDeCoなどの税制優遇制度、資産運用・資産形成・保険など
執筆・編集した記事は、累計で1億PVを超える実績があり、Yahoo!ニュース経済カテゴリでアクセスランキング1位を多数達成。老後の生活設計、年金制度の最新動向、ライフイベントに備えた資産形成などに強みをもつ。
メンバー全員が【1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)】【2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)】【CFP®資格】【一種外務員資格(証券外務員一種)】などの専門資格を保有し、実務から得た知識をもとに、複雑なお金の問題を「わかりやすく、正確に」伝えることに注力している。
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