2025年も後半に差し掛かり、老後の生活設計について改めて考える方も多いのではないでしょうか。特に、公的年金に加えて受け取れる可能性がある「年金生活者支援給付金」は、家計を支える上で見逃せない制度です。

この給付金は、年金収入が少ない方を対象に年金に上乗せして支給されるもので、2025年度には前年度から2.7%引き上げられます。

しかし、具体的にどのような人が対象となるのか、いくら受け取れるのか、そしてどうすれば申請できるのか、疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

本記事では、年金生活者支援給付金の詳しい内容と、公的年金の平均受給額について解説し、あなたの老後生活をより豊かにするためのヒントを提供します。

1. 年金生活者支援給付金とは

「年金生活者支援給付金」は、基礎年金を受給中の人が一定の要件を満たす場合に、年金に上乗せして受け取ることができるお金です。

給付金の種類は「老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3つです。

ここではシニア世帯の暮らしとかかわりが深い「老齢年金生活者支援給付金」について、整理してお伝えします。

1.1 老齢年金生活者支援給付金 支給要件

以下の3つの要件をすべて満たす場合、老齢年金生活者支援給付金の支給対象となります。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方は88万7700円以下(※)

老齢年金生活者支援給付金の判定に、障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。

1956(昭和31)年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、1956年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。