株式市場の振り返り-日経平均株価は4日続落、一時20,000円割れ寸前まで売られる

2018年12月21日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 20,166円(▲226円、▲1.1%) 4日続落
  • TOPIX 1,488.1(▲28.9、▲1.9%) 大幅4日続落
  • 東証マザーズ総合指数 811.0(▲27.0、▲3.2%) 大幅続落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:225、値下がり銘柄数:1,886、変わらず:19
  • 値上がり業種数:0、値下がり業種数:33
  • 年初来高値更新銘柄数:0、年初来安値更新銘柄数:1,324

東証1部の出来高は20億6,731万株、売買代金は3兆5,573億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。米国株の連日の急落を受け、リスクオフムードの高まりを超える見切り売りや投げ売りが相次いだと見られます。結果的に、売買代金は活況の目安と言われる3兆円を連日で上回りました。

そのような中、日経平均株価は終日マイナス圏での推移となりました。前場の序盤こそ一時▲57円安まで下げ幅を縮小しましたが、前引け直前には一時▲385円安の20,000円割れ寸前まで下落する場面が見られました(ザラバ安値20,006円、年初来安値更新)。

結局、後場の切り返しもほとんど見られず、4日続落で引けています。ザラバ安値だけでなく、終値ベースでも今年最安値となりました。

なお、TOPIXも同じような値動きで4日続落(年初来安値を更新)となりましたが、下落率は日経平均株価を大きく上回りました。これは、大型株のみならず中小型株を含めた全体が売られたことを示唆しています。

さらに、東証1部上場の約62%の銘柄が、年の瀬のこの時期に年初来安値を更新する“異常事態”となりました。

東証マザーズ総合指数は大幅続落、売買代金は3日連続で1,000億円超え

東証マザーズの出来高は8,276万株、売買代金は1,255億円となり、いずれも前日より増加しました。新興市場でも前日に続き投げ売りが嵩み、その結果として売買代金は3日連続で1,000億円を超えています。

また、総合指数も大幅続落となり、取引時間中には一時800ポイントを割り込む場面が見られました。なお、800ポイント割れは2016年11月以来のことです。終値ではかろうじて800ポイント台に戻しましたが、個人投資家の物色意欲はいつ戻るのでしょうか。

ユニーファミマHDが一時▲9%弱安の急落、ソフトバンクGは大幅4日続落で年初来安値更新

個別銘柄では、前日に続き多くの主力株が大幅下落となりましたが、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)が一時▲9%安に迫る急落となったのが目を引きました。

また、ハイテク株への売りも続き、パナソニック(6752)、シャープ(6753)、アルプス電気(6770)、ルネサスエレクトロニクス(6723)、日本電産(6594)、日立製作所(6501)、三菱電機(6503)、キヤノン(7751)などが年初来安値更新となっています。

また、前々日に新規上場のソフトバンク(9434)は堅調に推移して続伸となりましたが、依然として公開価格(1,500円)を大きく下回ったままです。さらに、親会社であるソフトバンクグループ(9984)は一時▲4%安の大幅安の4日続落となり、再び年初来安値を更新しました。

その他では、任天堂(7974)が一時▲5%安に迫る急落となって年初来安値更新となったのが注目を集めたようです。

一方、ファーストリテイリング(9983)が値を上げ、ファナック(6954)、東京エレクトロン(8035)、京セラ(6971)、日立建機(6305)はザラバの年初来安値更新後に買い戻され、終値は上昇して引けました。

また、ダイキン工業(6367)、テルモ(4543)、花王(4452)など主力大型株の一角にも見直し買いが入り、前日に急落したTDK(6762)も急反発しています。

新興市場(東証マザーズ)では、メルカリ(4385)が一時▲10%安の暴落となり、終値は公開価格(3,000円)を▲38%下回りました。ソフトバンクと並ぶ今年の超目玉IPOだったことを勘案すると、これは個人投資家の悲鳴が聞こえてくる大惨事と言えましょう。

葛西 裕一