2025年ももう半分が過ぎましたね。

昨年に引き続き「値上げ」が続いている2025年。その勢いは昨年をはるかに超えており、家計は厳しくなる一方です。

現在は「現金給付3万円」の手続きが進行中ですが、6月30日現在、多くの自治体で申請期限が締め切られています。

申請期限を7月末まで延長する市町村もあるようですので、対象であるにも関わらずまだ給付金を受け取っていない世帯は、自治体ホームページ等で支給要件やスケジュール、申請方法を確認してみましょう。

本記事では、いつもこうした臨時給付の対象となる「住民税非課税世帯」が具体的にどのような世帯を指すのか確認します。

1. 参院選に向けて複数の主要政党が「給付金」を公約に掲げる

2025年6月24日の閣議で、参議院選挙の日程が「7月3日公示・20日投開票」に決まりました。

今回の選挙の大きな争点の一つである物価高対策として、複数の主要政党が「給付金」を公約に掲げています(※)

自由民主党が公表した選挙公約にも給付金の実施が盛り込まれており、6月23日に首相官邸でおこなわれた記者会見において、石破総理はその内容に触れています。

今回は、基本の給付額を1人2万円とし、特に手厚い支援が必要となる「子どもや住民税非課税世帯の大人」については給付額を1人4万円とする方針です。

コロナ禍以降、こうした給付金の支給がしばしば実施されています。2024年度補正予算に組み込まれた「住民税非課税世帯を対象とする3万円給付金」は直近の例です。

こうした各種支援の対象を決める際の目安として「住民税非課税世帯」という区分がしばしば用いられています。

※主要各党の公約における「給付金」の内容(2025年6月24日時点)
・立憲民主党: 「食卓おうえん給付金」として1人あたり2万円の給付
・公明党: 税収増などを活用した「生活応援給付」として国民に還元(金額や支給方法は今後検討)
・れいわ新選組: 国民に現金10万円の一律給付、季節ごとのインフレ対策給付金の支給

2. 多くの自治体で申請受付終了【現金給付3万円】申請期限を7月末まで延長する自治体も…

コロナ禍以降、住民税非課税世帯などを対象とする「現金給付」により、家計を支援する施策がしばしばおこなわれています。

直近の例として挙がるのは、2024年度補正予算(※2024年12月可決・成立)に盛り込まれた、特に物価高の影響を受けやすい「住民税非課税世帯」を対象とする給付金です。

支給額は「1世帯あたり3万円」を基本とし、支給対象となる世帯のなかでも子育て世帯には、18歳以下の子ども1人につき2万円の「子ども加算」がありました。

この給付金は、2025年1月以降、各自治体で順次給付作業がスタートし、6月現在、多くの市区町村ではすでに申請期限を迎えています(※申請期限を7月末に延長する自治体も)。

「住民税非課税世帯」は、今回の給付金のような各種公的支援の対象基準としてしばしば挙がる区分です。

【ご注意】給付金の申請方法や給付までのスケジュール、細かい支給要件などは市区町村により異なります。お住まいの自治体の最新情報を、ホームページや広報誌などでご確認ください。LIMOでは個別のお問い合わせへのお答えはいたしかねます。

3. そもそも「住民税」とは?「均等割・所得割」

住民税の仕組みにも触れながら、住民税非課税世帯となる要件などを整理していきましょう。

3.1 住民税の基本をおさらい

住民税は、住んでいる都道府県や市区町村に支払う地方税で、その地域の公共サービスやインフラ整備の財源となっています。

個人住民税は、均等割(※1)と所得割(※2)の合計です。

※1 所得に関係なく一律課税となる部分
※2 所得に応じて税額が決まる部分

均等割・所得割ともに免除になることを「住民税非課税」と言います。「住民税非課税世帯」は、世帯全員が住民税非課税となる世帯を指します。

なお、「住民税の所得割のみ非課税」となる区分もあります。ただし今回の給付金の対象となるかどうかは自治体により異なるため、必ずお住まいの市区町村などの基準をご確認ください。

3.2 住民税が非課税となる<3つの要件>

住民税が非課税となる要件は、以下のいずれかに該当した場合です。

  1. 生活保護を受けている
  2. 障害者、未成年者、寡婦(夫)、ひとり親で、前年の所得が135万円以下である
  3. 前年の所得が各市町村の基準を下回る

1と2の要件は全ての市区町村で共通です。一方で、3の所得要件は市区町村ごとに異なる基準があります。

4. 住民税非課税世帯に該当する基準とは?(例:東京都23区)

世帯全員の住民税が非課税となる世帯を「住民税非課税世帯」といいます。

住民税が非課税となる所得基準は自治体ごとに異なります。一例として、東京都23区内の基準を見てみましょう。

4.1 住民税非課税世帯となる要件(東京都23区内の例)

(1) 生活保護法による生活扶助を受けている方
(2) 障害者・未成年者・寡婦又はひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方
(3) 前年中の合計所得金額が下記の方
同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下

※扶養親族は、年齢16歳未満の者及び地方税法第314条の2第1項第11号に規定する控除対象扶養親族に限ります。
※23区外にお住まいの方は、均等割額が非課税となる合計所得金額が異なる場合がありますので、お住まいの市町村に確認してください。

東京都23区内での、住民税が非課税となる所得の目安は世帯構成により変動します。同一生計配偶者や扶養家族がいない場合45万円以下です。

ただし所得は、年収から経費や各種控除を差し引いたあとの金額です。収入ベースのほうがイメージしやすいかもしれませんね。

5. 住民税が「非課税」となる収入の目安とは?(例:港区)

ここでは東京都港区の例を用いながら、住民税非課税世帯となる基準を、「収入額」での目安換算で見ていきます。

  • アルバイトやパート:給与収入が100万円以下
  • 65歳以上で年金受給のみ:年金収入が155万円以下
  • 65歳未満で年金受給のみ:年金収入が105万円以下
  • 不動産収入等所得:収入から必要経費を引き、合計所得が45万円以下

東京都港区の場合、アルバイトやパートなどの「給与収入」であれば、住民税非課税に該当する収入目安は「100万円以下」です。

一方、年金収入のみの場合、住民税非課税世帯となる収入目安の基準は変わります。65歳未満は「105万円以下」ですが、65歳以上になると「155万円以下」にまで引き上がります。

不動産収入などの所得の場合は、収入から必要経費を差し引いた合計所得が「45万円以下」となり、非課税限度額は大幅に下がります。

このように、住民税非課税世帯となるボーダーラインは、収入額だけではなく「収入種類」や「扶養親族数」などの諸条件により変動するため、判定基準がやや複雑です。

6. シニア層が「住民税非課税世帯」になりやすい理由とは?

65歳以上の年金収入のみの世帯では、住民税の非課税限度額が高く設定されています。

一般的に年金生活に入ると現役時代よりも収入が減少するうえ、65歳以上の方には公的年金に対する所得控除が大きく、また遺族年金が課税対象とはなりません。

そのため、高齢者の年金生活者は「住民税非課税世帯」に該当しやすい傾向があるのです。

厚生労働省の「令和5年国民生活基礎調査」から、住民税が「課税される世帯」の割合を見てみましょう。【一覧表】住民税課税世帯の年代別割合

1/4

出所:厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成

  • 30歳代:88.0%
  • 40歳代:90.0%
  • 50歳代:86.4%
  • 60歳代:78.3%
  • 70歳代:64.1%
  • 80歳代:47.5%
  • 65歳以上(再掲):61.9%
  • 75歳以上(再掲):50.9%

※全世帯数には、非課税世帯及び課税の有無不詳の世帯が含まれます。
※総数には、年齢不詳の世帯が含まれます。
※住民税課税世帯には、住民税額不詳の世帯が含まれます。

住民税が課税される世帯の割合は、30~50歳代では約90%でしたが、60歳代で78.3%となります。その後65歳以上は61.9%、75歳以上は50.9%となっています。

このように、年齢が高くなるにつれて、住民税が課税される世帯の割合は低下する傾向にあります。ただし、住民税非課税世帯の判定基準となるのは「収入(所得)」です。

そのため、年金収入は少ないものの、十分な預貯金があってそれを取り崩して生活している高齢者世帯も一定数含まれていると考えられます。

7. 続く物価高、活用できる給付金は他にも!

本記事では、住民税非課税世帯とは具体的にどのような世帯を指すのか、詳しく解説しました。

家計が厳しい状況が続くなかで、一時的なものであっても「現金給付」により経済的・精神的な負担は軽減されることでしょう。

しかし、2025年はさらなる値上げが続く見通しです。

今回は、物価高対策における現金給付に触れましたが、国や自治体では他にもさまざまな給付金や補助、手当などのサポートを行っています。

こうしたサポートを活用しながら、物価上昇を乗り越えていきたいものです。

参考資料