カルビー、上期は増収増益も対計画では厳しい状況 国内の構造的問題が要因

2018年10月29日に行われた、カルビー株式会社2019年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:カルビー株式会社 代表取締役社長兼CEO 伊藤秀二 氏
カルビー株式会社 上級常務執行役員 菊地耕一 氏

2019年3月期上期業績 決算ハイライト

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菊地耕一氏:菊地でございます。それでは、2019年3月期の上期の決算のご報告をさせていただきます。

まず上期の業績報告でございます。ハイライトといたしまして、対前年につきましては、一昨年の北海道の台風に起因する馬鈴しょ不足がございました前期に対して、今年は十分な原材料が確保できたこと、それからポテトチップスを中心とした需要の強さが継続したことで、増収増益の決算となりました。

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特別利益においては、連結子会社でありますカルネコ株式会社の全株式譲渡がございましたので、それに伴って純利益は大幅な増益となっています。

2019年3月期上期業績 レビュー

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一方で、対計画のレビューでは、非常に苦しい決算となっています。まず売上ですが、国内のスナックは計画を上回っていますが、国内のフルグラについては需要の低迷が続いています。それから、北米を中心とした海外全般のスナックの売上不振もございまして、対計画では未達となっています。

利益につきましても、いま申し上げました売上の不振に加えて、国内の事業の製造コストと物流費の上昇がございまして、これが利益を押し下げる要因となっています。このために、表にありますKPI、計画の進捗という意味では、傘マークの多い、非常に厳しい結果となりました。

上半期の営業利益で申しますと、もともと126億円の計画をいたしました。これに対して、実績は117億円ですので、9億円の未達となります。

対前年では増益なのですが、計画ギャップが9億円あったということです。これをもう少し要因分解しますと、売上でだいたい5億円のギャップ、利益ベースで5億円のギャップ、コストと物流費で10億円のギャップです。これで、トータルで15億円の下振れとなります。対して、販売費あるいは人件費の抑制でオフセットして……こちらが6億円ありまして、ネットでは9億円のショートということです。

先ほど申し上げました、コストと物流費の10億円の下振れですが、このうちの半分はどちらかと言うと一時的要因です。ポテトチップスの増量キャンペーンを4月・6月で行ったのですが、その原材料費の上昇部分となります。

それから、夏に西日本地域で豪雨がございまして、物流網がかなり混乱いたしました。それに伴う一時的な費用で、2億円程度のインパクトがありました。合わせると、増量部分と西日本豪雨の物流費が5億円ございますので、10億円のうち半分は一時要因ですが、残りの半分は構造的な要因と言えるかと思います。

2019年3月期上期業績 売上高推移

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昨年は、馬鈴しょ不足等々もございましたので、事業別の詳細の説明をする前に、もう少し長いスパンで売上のモメンタムをご確認いただきたいと思います。

左上が連結全体で、下の3つは国内スナック、海外スナック、フルグラです。これは国内・海外を合算していまして、下の薄い色が第1四半期の売上、上の濃い色が第2四半期です。やはり昨年は馬鈴しょ不足があったことで、ややでこぼこしています。

国内スナックは、昨年の第1四半期で大きくへこみまして、そのぶんを取り返しています。第2四半期については微増なのですが、ここで申し上げたかったのは、昨年のいろんな問題で落ち込んだ以上に、今年は取り返しているということです。2年前に比べても増益で、このあたりのスナックのモメンタムは、引き続きあると理解しています。

海外につきましては、昨年は2桁成長なのですが、今年はプラス5パーセントと、成長がやや鈍化しています。ここは懸念材料でございます。

それからフルグラは、輸出等もありましたので国内・海外で合算で示しています。やはり昨年3月以降、輸出がストップしたところの影響が大きく、昨年はへこんでいます。今年はそこから回復しているのですが、京都の工場の稼働が8月からということもあり、上半期のビューで見ると回復は緩やかです。下期にかけては、こちらが大きく伸びていくと計画しています。

全体で見ても、去年落ち込んだ分の倍程度は回復していますので、3年間のタームで見ると、そこそこ堅調な売上であったと見てとれるかと思います。

2019年3月期上期業績 国内事業

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では、まず国内事業から説明いたします。ポテトチップスについては、先ほど申し上げたように、強い需要が継続しています。それに加えて、今期注力しています個食スナック分野での新商品として「じゃがりこシリーズ」と書いてありますが、具体的には「とうもりこ」や「えだまりこ」といった商品が、売上増加に寄与しています。

この結果、ベーカリー子会社の影響を除く伸び率としては、プラスの6.6パーセント。営業利益の増益率としては、2桁の11.1パーセントとなっています。

2019年3月期上期業績 国内スナック

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スナックの詳細です。ポテトチップスは先ほどの説明のとおりですが、第1四半期は昨年の馬鈴しょ不足に対して、今年は増量で大きく伸ばしています。この増量が終わっても、第2四半期は非常に強い需要が継続しています。

個食スナックにつきましては、(スライド下の)左から「えだまりこ」「とうもりこ」「miino」「極じゃが」とあります。それらも含めて、昨年の7億円に対して今年は32億円と、大きく伸ばしています。フルグラについては、後ほど説明します。

2019年3月期上期業績 海外事業

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海外ですが、売上はフルグラの中国向けの輸出や、インドネシアとオーストラリアで(の販売)は堅調に推移いたしました。その他の地域は総じて不調でございます。北米につきましては、増収ではありますが計画に対しては未達です。一方で、コストの改善は進んでいます。

もう1つ、海外の利益が伸びなかったのは、中華圏の不調がございます。台湾の過剰在庫処分等、一時要因もありますが、その他の地域でも利益面では伸び悩んでいるということでございます。

2019年3月期上期業績 海外スナック

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北米の単独の結果です。左側に売上高・営業利益率・原価率のグラフがありますが、見ていただくと、第2四半期の売上がよくなかったというのがわかります。

一方で、右側の営業利益(分析)ですが、売上がそこまで伸びなくても、生産性の改善は進んでおりまして、ずっと赤字で苦しんでいたんですが、第1四半期、第2四半期とも黒字で推移しております。

2019年3月期上期業績 フルグラ事業

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フルグラです。売上高は消費地別の数字になります。ですので、先ほどの国内・海外の売上と若干ずれておりますが、基本的には同じでございます。

まず国内ですが、商品の拡充、あるいはリニューアル等々の実施、新規顧客の獲得に努めたものの、なかなか結果には結び付かず、マイナス7.6パーセントと前年を割れる結果となっております。

一方の海外です。8月より京都の工場が稼働いたしまして、Eコマースチャネル、あるいは小売店舗、リアルでも順調に配荷が進んでおりまして、大きく売上を伸ばす状態が続いています。このモメンタムで、下期はW11(中国最大のECイベント)もありますので、好調を維持していきたいと考えております。

2019年3月期上期業績 営業利益分析

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上期の営業利益分析です。こちらは昨年対比ですので、売上と原価の改善で利益を増やしているという結果になっています。昨年の原価のところの悪化が28億円ぐらいありましたので、その半分以下しか戻せていないということです。

このコストの上昇については、冒頭にも申し上げましたけれども、一時的要因もございますが、一層のコストリダクションが必要となってきております。

2019年3月期の方針・取組み①

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では下期の取組みについてご説明いたします。(スライドの)左半分は、上期の取組み事項ということで、このようなことを進めてきました。

そのなかでの課題としましては、この2番目の国内フルグラ、4番目の北米の売上、5番目の海外あたりに課題があると考えております。

下期の全体方針としましては、この(スライド右側の)2、3番目は不調のところをなんとか商品施策等で食い止めます。全部回復するのはなかなか難しいかと思いますので、そのギャップについては、好調部門である国内スナック、あるいは海外フルグラでなんとかカバーしていくということで取組んでまいります。

2019年3月期の方針・取組み②

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まず国内スナックですが、好調な個食スナックについては、「とうもりこ」「えだまりこ」を中心にもう一度CMを投下しまして、ブランドの定着を図っていきたいと思います。

ポテトチップスを中心としたポテト系スナックをさらに活性化するために、さまざまなキャンペーン……47都道府県のポテトチップスですとか、大収穫祭というものを積極的に進めていきたいと考えております。

フルグラは、どちらかというと守りの戦略になりますが、基本的なところで、限定品の発売や店頭活動の活性化といったことを中心に、流出を最小限に食い止めたいと考えています。来期以降になりますが、それに加えて、いろんな商品開発という部分にも、今から手を打って推進していきたいと考えております。

2019年3月期の方針・取組み③

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海外のフルグラですが、こちらは好調なモメンタムを継続すべく、一層の販売促進を図っていきたいと考えています。

Eコマース、一般EC、越境ECともにですが、大手との協業によって販売拡大を図ります。小売店舗につきましては、効率のいい大型店舗で商品ラインアップの拡充を図っていきたいと思います。(スライド)下の表にありますような商品の拡大を進めていきます。

それと、現地フレーバーの発売や生産面におきましては、より原価効率のいい京都工場での生産に、どんどんシフトしていきたいと考えております。

2019年3月期の方針・取組み④

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海外のその他ですが、北米につきましては、国内のフルグラと同様ですが、(進捗が)遅れています。まずはオーガニック商品の大手顧客、Costcoへの配荷をキャッチアップしていきたいと思います。

また新フレーバーを開発しましたので、こちらの配荷拡大と、「Popper Duos」の商談を進めていきたいと思います。

インドネシアにつきましては、12月に新しいラインができますので、キャパシティが増えます。この分はしっかり売るべく、販促活動を継続していきたいと考えています。

2019年3月期の方針・取組み⑤

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UKですが、Yushoiという単一ブランドで、若干売上を伸ばしているのですが、やや伸びが鈍化しております。この状況を打破するために、現地のポテトチップスがメインストリームのスナック商品の企業を10月2日付で買収しましたので、こちらとのシナジー効果も狙っていきたいと考えています。

買収した会社はSeabrookという会社でして、概要は(スライド)中央にあるとおりですが、カルビーと同じような歴史がございます。非常に古いメーカーでして、ポテトチップスの市場では、上位2社とはかなり離れたところにおりますが、3位という市場シェアを持っております。このような会社を買収しましたので、早期にシナジーの実現を図っていきたいと考えております。

私からは以上になります。

2020年3月期以降の中期計画について①

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伊藤秀二氏:伊藤でございます。私からは、次の2020年3月期以降の中期計画についてお話をさせていただきます。現在、2020年3月期からの中期計画を策定中でございます。本日は、現時点で中期の課題について、どういうことを進めていくかを策定していますので、そこのポイントについてお話をさせていただきたいと思います。

ポイントとしては5つあります。まずは、国内事業の営業利益率15パーセントを掲げています。今までは7つのイノベーションの柱を作っていましたけれども、時系列的にまず実現しなくてはいけないところから、この国内事業の営業利益についての課題を最初に挙げています。

この事業が安定的な事業として完成して、それを次の投資の原資になることをベースに考えていますので、国内既存事業の高収益化を最初に掲げました。現状の事業モデルの転換といったポイントでありますが、よりシンプルに、より効率的な事業として国内事業を捉えています。

1つ目は自動化です。また、現状でいろんな課題がありますけれども、IoTやAIを活用して、この事業についてよりシンプルに、効果的に行うという方向に転換していきたいと思います。

2つ目に賞味期限の延長とありますが、現状、我々は当然ながら賞味期限を付けていますが、賞味期限を日にちで管理しています。実質的には、賞味期限を延長できる(ほど)商品の品質を保てるようになっていますが、まだほぼ4ヶ月といった段階に(設定)しています。

これを6ヶ月以上に伸ばせるものについては、賞味期限を延長して、かつ賞味期限の単位につきましては、日付ではなく月単位の賞味期限の表示に転換したいと思います。これによりまして、私どもの社内だけではなくて、売り場および全体的ないろんな工数の低減、生産の平準化が可能になると考えています。

3つ目は、スナックビジネス、それからフルグラビジネスもそうですけれども、全体の販売アイテム数および価格帯についてもバリエーションを見直して、この価格帯をどうするかも含めて転換しなくてはいけない課題があります。現在、国内事業の営業利益率が13パーセントほどですので、これは早期に実現していくことになります。

次に、国内でのフルグラ事業についてです。国内のフルグラ事業については、先ほどの話もありましたけれども、いったん市場についての伸びが止まった状態であるのは事実であります。そのため、フルグラ事業の再構築、それから現状のターゲットやシーンの拡大といったところで、それに対応する商品の拡充をしなくてはなりません。これを、次年度以降に速やかに実施いたします。

現状はフルグラ事業という名称になっていますが、基本的にフルグラの商品の品揃えとしてというレベルではなく、この事業、それから製品ラインナップ自体もやや拡大して、日本国内でも事業として、より成長を目指す方向性で進めたいと考えています。

2020年3月期以降の中期計画について②

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新しく投資をしていく部門で言えば、当然海外事業についての展開も進めなくてはなりません。この進め方について、国および商品、ブランドの選択と集中ということで取り組んでまいりたいと思います。

ブランド展開の開始について、1つ目は、プロダクトブランド型で展開する国として、英国をモデルにして進めていきたいと思います。現在は、ハーベストスナップスの販売が中心になっていますけれども、次のブランドの展開をアメリカで実施すべきと考えまして、アメリカをじゃがりこブランドの世界戦略のスタート国と位置づけたいと思います。

2つ目に、スナックフーズ以外の事業について、アメリカにおける事業研究を進めなくてはいけないと考えています。(スナックフーズ以外の)ブランド展開でいきますと、こちらは中国におきまして、コーポレートブランド型でのブランド展開を進めたいと考えています。現在、フルグラが堅調に販売を伸ばしています。

実際のところ、中国におきましては、フルグラというネーミングではなくカルビーというネーミングでブランドの知名度が上がっています。ブランドの浸透を進めて以降、カルビーというブランドが付いているスナック商品も含めて、全面的に中国市場に展開する流れを進めていきたいと考えています。

また、米国・中国以外の次の集中国としては、英国・インドネシアにおいて海外事業を進めていくことにしています。

2020年3月期以降の中期計画について③

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次の資源の投下先として、新規事業に関しては、次の柱になるレベルとして、現在2つのアイディアを考えています。

1つ目は、馬鈴しょ事業の範囲の拡大を目指していきます。現状は、馬鈴しょ事業と言うとスナックフーズのほとんどの事業になっていますが、中食・主食・補食といったかたちでの馬鈴しょ事業を拡大させていきたいと考えています。

今まで、加工用馬鈴しょの国内での生産高は横ばいといった状況が続いていました。しかし、昨年より国の政策も加わっており、加工馬鈴しょを非常に大きく伸ばしていくことができています。

また、国内の馬鈴しょ産業においては、生食用・野菜として食べるもの、デンプン用といったものがありますが、この両方とも低下傾向にあります。加工用は、そこからの転換ができる可能性がありますので、そういったものをベースにして、ここを新規事業の軸として進めていければと考えています。

我々は、馬鈴しょの素材を中心にした新規事業があります。しかし、馬鈴しょ以外の素材に集中・フォーカスをして、素材を中心とした新規事業……もしくは我々が持っている加工技術がございますので、これを使ってスナックフーズだけではない、新しい事業に展開できるものについて、独自の加工技術を使った新規事業(の展開)を考えています。

そして、PepsiCoとの連携強化ということで、現状、戦略展開していくことを固めています。全体の数値の目標・組織・重点政策について、組織や人材の投入をどうするかといったことを含めて、この中期計画について策定中でございます。今年度中に完成させて、次年度以降のプランから、これを一緒に進めていくつもりでございます。

今後とも、みなさま方のご指導をよろしくお願いしたいと思います。私からの報告は以上でございます。

記事提供:ログミーファイナンス

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