金融経済教育推進機構の「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」によると、60歳代と70歳代の夫婦世帯では、約5人に1人が金融資産3000万円以上を保有しています。

老後資金への不安が広がるなか、安心して老後生活を送るには、現役時代から計画的に資産を築いていくことが重要です。

そうした資産形成の手段のひとつとして、2024年から刷新された新NISA制度があります。

資産をしっかり増やしていくには、早い段階から準備を始め、長期的な視点で取り組み続けることが大切です。

本記事では、新NISAの概要やメリット、記事の後半では65歳までに資産を3000万円までに増やすための年齢別シミュレーションを紹介します。

1. 新NISAの非課税メリット

通常、株式や投資信託で得た運用益には、20.315%の税金がかかります。

しかし、新NISAで得られる運用益や配当益は非課税です。

税金を引かれずに運用益を受け取れるため、資産が増えやすく長期投資に向いています。

新NISAの非課税メリット

新NISAの非課税メリット

出所:金融庁「NISAとは」

1.1 新NISAの6つのポイント

2024年から始まった新NISA制度は、非課税期間が無期限になり投資枠も大きく拡大されたのが、大きな特徴です。

2つの投資枠「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を組み合わせて使えるのもポイントです。

新NISAの6つのポイント

新NISAの6つのポイント

出所:金融庁「NISAとは」

【投資枠の内容】
つみたて投資枠

  • 年間120万円まで
  • 金融庁が認めた長期・分散に適した投資信託が対象

成長投資枠

  • 年間240万円まで
  • 上場株式や一般的な投資信託が対象

【非課税の仕組み】

  • 非課税保有限度額は最大1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)
  • 売却した分の枠は翌年に再利用可能(売却直後には戻らない点に注意)
  • 保有期間に制限なし=ずっと非課税で保有できる

新NISAは、これまで以上に柔軟で、長期的な資産形成がしやすい制度です。

早めに活用することで、将来の資産づくりに大きなメリットが期待できます。

次の章では、3000万円に資産を増やすための年齢別シミュレーションをみていきましょう。