4月に入り、就職や働く時間の増加、子どもの入学や進級などによりこれまでと生活が変わった方もいるでしょう。

共働きが主流となった現代においても、育児等で働き方をセーブする女性は少なくありません。

子育てだけでも子どものお世話や遊び、塾や習い事の送迎、PTA、子どもの受診などで忙しいもの。一方で現役時代の「働き方」が老後の公的年金に影響を与えることは、早くから知っておきたいところです。

現役時代の年金への加入状況により、老後の年金受給額は決まります。だからこそ少し長い目で見て働き方を考えたり、公的年金以外での対策も考えるといいでしょう。今回は女性の年金に視点をあて、その平均額や厚生年金の実態についてもみていきます。

1. 【女性の年金早見表】厚生年金でも平均で「月11万円台」に

まずは厚生労働省年金局の公表している「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、全体と男女の平均年金月額を確認していきます。

1.1 厚生年金の平均月額

  • 全体:15万289円
  • 男性:16万9967円
  • 女性:11万1413円

1.2 国民年金の平均月額

  • 全体:5万9310円
  • 男性:6万1595円
  • 女性:5万7582円

厚生年金を受け取っている女性の平均年金月額は11万1413円でした。

多いと捉えるかどうかは人によって異なりますが、家賃などがある場合、年金だけでの生活は難しいでしょう。

一方、国民年金は平均年金月額5万7582円であり、公的年金以外での備えが必要でしょう。

いずれにしても何も対策をしないまま老後を迎えるのはやや不安が残ります。

2. 2026年度版【働き方別】厚生年金と国民年金の平均的な年金月額はいくら?

年金加入期間や収入により、どのように年金額が異なるのでしょうか。

厚生労働省は2026年度の年金額改定内容とともに、現役時代の年金加入状況や年収ごとの年金額例を公表しています。

「2026年度に65歳になる人の場合」の年金額の概算が、公的年金加入履歴より次のパターンでわかります。

2.1 【女性】厚生年金期間中心

年金月額:13万4640円

  • 平均厚生年金期間:33.4年
  • 平均収入:35万6000円
  • 基礎年金:7万1881円
  • 厚生年金:6万2759円

厚生年金への加入期間が約33年で、平均収入が35万6000円の場合は13万4640円となりました。

2.2 【女性】国民年金(第1号被保険者)期間中心

年金月額:6万1771円

  • 平均厚生年金期間:6.5年
  • 平均収入:25万1000円
  • 基礎年金:5万3119円
  • 厚生年金:8652円

2.3 【女性】国民年金(第3号被保険者)期間中心

年金月額:7万8249円

  • 平均厚生年金期間:6.7年
  • 平均収入:26万3000円
  • 基礎年金:6万9016円
  • 厚生年金:9234円

また国民年金(第1号被保険者)中心と国民年金(第3号被保険者)中心では6~7万円台となっています。

上記はあくまでも年金額の例ですが、厚生年金の加入期間が長く、収入が高いほど、老後に受け取る年金額は多くなる傾向が見られます。

このように働き方によって老後の年金受給額が異なります。

3. 【女性の年金早見表】厚生年金でも平均で「月11万円台」ボリュームゾーンは?

では、女性の厚生年金をさらに深掘りしていきましょう。

厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、女性の1万円きざみの受給権者数は以下のとおりです。

  • 1万円未満: 12,953人
  • 1万円 ~ 2万円未満: 3,880人
  • 2万円 ~ 3万円未満: 29,993人
  • 3万円 ~ 4万円未満: 63,025人
  • 4万円 ~ 5万円未満: 61,945人
  • 5万円 ~ 6万円未満: 69,313人
  • 6万円 ~ 7万円未満: 180,892人
  • 7万円 ~ 8万円未満: 348,764人
  • 8万円 ~ 9万円未満: 541,901人
  • 9万円 ~ 10万円未満: 751,358人
  • 10万円 ~ 11万円未満: 813,990人
  • 11万円 ~ 12万円未満: 695,128人
  • 12万円 ~ 13万円未満: 522,466人
  • 13万円 ~ 14万円未満: 374,169人
  • 14万円 ~ 15万円未満: 271,489人
  • 15万円 ~ 16万円未満: 200,322人
  • 16万円 ~ 17万円未満: 147,604人
  • 17万円 ~ 18万円未満: 105,489人
  • 18万円 ~ 19万円未満: 71,561人
  • 19万円 ~ 20万円未満: 48,617人
  • 20万円 ~ 21万円未満: 33,387人
  • 21万円 ~ 22万円未満: 21,931人
  • 22万円 ~ 23万円未満: 14,116人
  • 23万円 ~ 24万円未満: 8,813人
  • 24万円 ~ 25万円未満: 5,491人
  • 25万円 ~ 26万円未満: 3,233人
  • 26万円 ~ 27万円未満: 1,811人
  • 27万円 ~ 28万円未満: 927人
  • 28万円 ~ 29万円未満: 479人
  • 29万円 ~ 30万円未満: 223人
  • 30万円以上: 482人

50万人を超えているボリュームゾーンは8万円〜13万円未満となります。月に20万円以上受給している方もいますが、かなり少数派であることがわかります。

大切なのは自身の年金見込み額をまず確認することです。ねんきんネットで確認をしてみましょう。

4. 年金について考えるとともに、貯蓄の備えも

ここまで確認した通り、公的年金は現役時代の働き方により受給額が決まります。現役時代から年金見込み額を確認し、生活が落ち着いてきたら働き方を考えてみるといいでしょう。

また年金が十分ではない場合、老後に頼れるのは貯蓄でしょう。

貯蓄を確実に貯めるには自動で毎月一定額を貯金していくサービスを利用するのがいいでしょう。意志に頼らず、仕組みを利用して貯蓄を貯めていきましょう。

自動で積み立てるサービスは預貯金だけでなく、投資信託などの資産運用でも金融機関によっては利用できます。投資信託の積立はNISA制度が利用できますので調べてみるといいでしょう。リスクはありますので、ご自身のリスク許容度についても考えてみてください。

毎月の積み立てが老後の貯蓄を築きます。これを機に情報収集からはじめてみてくださいね。

参考資料

宮野 茉莉子