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2015年9月1日(火)23:00発表予定の米ISM製造業景況指数(PMI)に注目です。

PMIは景気転換の先行指標であると同時に、最も速報性の高い経済指標です。

8月PMIが景況感の節目となる50.0を引き続き上回るかがポイントです。

9月1日(火)23:00発表予定の米ISM製造業景況指数(PMI)に注目

今週の9月1日(火)日本時間23:00に発表予定の米ISM製造業景況指数(PMI)は、是非チェックしておきたい経済指標です。PMIは翌月第1営業日に発表されるため、非常に速報性が高く、いち早く景気転換の兆候を察知するための先行指標なのです。

中国を震源地とした世界同時株安を発端に、米国のFRB(連邦準備制度理事会)による利上げ時期が先送りされるとの見方が強まり、量的緩和の再開も議論になる中、今回のPMIは米国内の景況感を把握するための重要な判断材料となります。

なお、FRBはPMIが50.0を下回っている局面では利上げを実施したことが無いため、FRBの利上げスタンスを見極める意味でも注目できます。

PMIから足元の株価動向を考える

リーマンショックからの景気回復期に該当する2009年後半以降、米国のPMIは景気拡大の節目となる50を上回る水準で概ね推移してきました。8月PMIの市場予想は52.6となっており、7月の52.7と同水準で予想されています。これを下回る水準や、景況感の節目となる50.0を割り込んだ場合は、株価下落の思惑が市場に広がるでしょう。一方、PMIが市場予想を上回れば、米経済の先行き見通しに対する支援材料となり、株価を下支えしていくでしょう。

個別銘柄に投資する方のみならず、株価指数連動型のインデックス投信などに興味のある個人投資家のみなさんも、毎月第1営業日に発表されるPMIは是非注目していただきたいと思います。

全米供給管理協会景気指数 製造業PMI総合指数(季節調整済)
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【参考情報】 PMIの基礎知識

そもそも、PMIとは?

米ISM製造業景況指数(PMI)とは、米国の製造業の業況感を捉える景気指標です。米サプライマネジメント協会(ISM)が製造業約350社の購買担当役員に対して実施したアンケート調査を基に算出されます。景気転換の先行指標であると同時に、翌月第1営業日に公表される非常に速報性の高い指標です。特に、製造業の景況感を示すISM指数をPMI(Purchasing Managers’ Index)と呼び、GDPに先行して景気の転換点を示唆するため、市場関係者の関心も高いものとなっています。

アンケートは、新規受注、生産、雇用、入荷遅延比率、在庫の5項目につき、1か月前と比較し「増加」、「不変」、「減少」の3つで回答する形式です。この5項目のDI(ディフュージョン・インデックス)を加重平均して指数を算出します。このDIは、「増加」1、「不変」0.5、「減少」0を与えた上で構成比を掛け合わせて算出します。従って、50.0を超えていれば景気拡大、下回っていれば景気後退の局面となります。

この算出されたDIを基にCI(コンポジット・インデックス)を算出したものをPMIと呼んでいます。

研究好きな方はISMレポートに記載されている各業種のコメントもチェックしてみよう

ISMレポートに記載されている各業種のコメントは、米国内の景況感を捉える意味でも、個人投資家にとって役立ちます。例えば、「商業施設向け事業が良好で環境は良い(加工金属)」、「米国の需要は変わらないものの、地政学リスクは懸念材料(化学)」、「事業は良好。雇用確保が課題(家具)」といったアンケート結果に伴うコメントを一覧で読むことが可能です。いわば、日本国内にいながら米国の街角景気に触れることができるのです。

こうした情報は日本のメディアではほとんど報じられないのですが、個人投資家もアクセス可能なので、研究好きな方は見てみるのも良いでしょう。

※元データの確認は、米サプライマネジメント協会のウェブサイトをご参照ください。

【2015年8月31日 投信1編集部】

■参考記事■

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岡野 辰太郎