投資信託に興味を持ったら、「どの投資信託を買うか」が一番気になるのが人情です。もちろん、どの投資信託を買うかがすぐに決まればそれに越したことはないのですが、これがなかなか難しい。投資信託はなんと5,000本以上もあり、一見しただけではどれも同じように見えるからです。

そこで、初めて投資信託を選び、購入する方にオススメの4ステップをご紹介します。

すでに買いたい投資信託が決まっている方については、意中の投資信託をお得に買うための方法もまとめていますので、「2 買いたい投資信託が決まっている方は、販売手数料無料で買える金融機関を探してみよう」を参考にしてください。

ざっくりいうと

  •  ①金融機関選び→②証券口座開設→③投資信託選び→④購入。これが初めて投資信託を選び、購入する方にオススメの手順です。
  •  なぜ最初に投資信託ではなく金融機関を選ぶことをオススメするかと言えば、金融機関によって投資信託の品揃えは天と地ほど異なり、購入時の手数料も異なる(同じ投資信託でも購入時手数料0%の金融機関と3%の金融機関があったりします)ためです。
  •  投資信託を買いたい投資家にはSBI証券と楽天証券が特にオススメです。これら2社は投資信託の取扱数が2,500を超えており、金融機関の中でダントツの存在です。特に、楽天証券では、ネット証券で唯一、日経新聞の記事も実質無料で読めるというオマケ付きです。口座開設(無料)をしておくだけでも年5万円相当のメリットが得られます(参考:情報の宝庫、日経テレコンが無料で使えるネット証券の活用法)。

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■目次■

1 これから投資信託選びをする方のための、購入までの4ステップ
 1.1 STEP1:判断材料を提供してくれる金融機関を選ぶ
 1.2 STEP2:証券口座を開設する
 1.3 STEP3:購入する投資信託を決める
 1.4 STEP4:投資信託を買うースポットか積み立てか
2 買いたい投資信託が決まっている方は、販売手数料無料で買える金融機関を探してみよう
3 まとめ

1 これから投資信託選びをする方のための、購入までの4ステップ

1.1 STEP1:判断材料を提供してくれる金融機関を選ぶ

冒頭で、投資信託選びの最初のステップは、判断材料を提供してくれる金融機関を選ぶことだとお伝えしました。ここでは、金融機関選びのポイントを具体的に見ていきましょう。

金融機関選びで大事なのは大きく2点です。

  1. 投資信託の取扱本数が多い
  2. 投資信託選びの参考情報が豊富である

ただ、PCやスマホの基本操作に不安がある方や、営業担当者の説明を聞かないと不安だと感じられる方については、ご自宅の近くに本支店がある複数の大手証券会社(野村證券、大和証券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券など)に口座を開設して、相性の良い営業担当者が付いた証券会社と取引するのが良いでしょう。銀行でも投資信託は買えますが、証券会社の方が品揃えが豊富で、営業担当者も投資信託に詳しい傾向はあるように思います。

投資信託の取扱い本数が多いのはネット証券

例えばテレビを購入する際、品揃えが豊富な家電量販店と、街の電気屋さんではどちらが便利でしょうか? 街の電気屋さんと長年の付き合いがある場合を除けば、一度に多くのテレビを見ることができる家電量販店が便利だと感じられる方が多いことと思います。

投資信託についても品揃えの重要性は変わりません。投資信託は、銀行(ゆうちょ銀行も含む)の窓口、ネット銀行、証券会社の窓口、ネット証券など、多くの金融機関で販売されていますが、取扱本数は金融機関毎に全く異なります。

投資信託の取扱本数が多いのはネット証券です。意外に思われる方も多いのではないでしょうか。中でも、SBI証券楽天証券の取扱本数は2,000本超と、他を圧倒しています。一方、大手証券やメガバンクの取扱本数は意外にも少ないものです。国内最大手の証券会社である野村證券でも1,000本弱程度、国内最大手のメガバンクである三菱東京UFJ銀行が200本程度というところです。大手証券やメガバンクは、自社の系列の運用会社が手掛ける投資信託を中心に販売する傾向が強いため、取扱い本数はネット証券に及ばないのが実態です。

下表は主なネット証券の投資信託取扱い本数を比較したものですが、ノーロード投資信託の取扱本数も大変重要です。ノーロード投資信託というのは、販売手数料が無料の投資信託のことです。同じ投資信託でも、大手証券で買ったら3%の販売手数料がかかるのに、ネット証券では販売手数料無料というケースもありますので、ノーロード投資信託の取扱本数が多い金融機関を選ぶのが良いと思います。

証券会社毎の投資信託取扱い本数比較表

  投資信託 ノーロード投信
SBI証券 2,644本 2,644本
楽天証券 2,678本 2,678本
SMBC日興証券 1,047本 630本
マネックス証券 1,216本 1,216本
auカブコム証券 1,422本 1,422本
フィデリティ証券 688本 426本
岡三オンライン証券 552本 552本

注1:2021年9月8日に各社メールやチャットで確認
注2:各社開示基準が異なる可能性がある。
注3:SMBC日興証券はダイレクトコース
注4:上場投資信託(ETF)の取扱い本数は除外

投資信託選びの参考情報も豊富なSBI証券、楽天証券

SBI証券楽天証券は投資信託取扱本数が多いだけではなく、投資信託に関する情報提供にも力を入れています。特に資産運用初心者にも広く使われている楽天証券は、初心者向けの入門講座が充実しており、ファンドアナリストという投資信託分析の専門家が様々な切り口で情報提供をしているため、一考の価値があるでしょう。投資信託の具体的な選び方については、「投資信託の選び方」で解説します。

なお、証券会社や銀行の営業担当者の説明を聞きたい方や、PCやスマホの基本操作に不安がある方は、ご自宅の近くに本支店がある大手証券会社で話を聞くというのも選択肢の1つです。

1.2 STEP2:証券口座を開設する

ネット証券で証券口座を開設すると、IDとパスワードが提供されます。それらを使ってネット証券のウェブサイトにログインすると、投資信託選びに必要な情報を無料で閲覧できるようになります。もちろん、投資信託の購入もできるようになります。ネット証券の口座開設にかかる時間はおおむね3~7営業日程度とお考えください。

ちなみに、ネット証券の口座開設のハードルは特段高いものではありません。申し込みの際に、本人確認書類(運転免許証、住民基本台帳カード、健康保険証、住民票の写し、在留カード・特別永住者証明書、印鑑登録証明書のいずれか)の提出や、勤務先や運用資産規模などの申告は求められますが、一部のお金持ちしか口座開設できないという類のものではなく、多くの方がとても簡単に口座開設をすることができます。

ネット証券の口座開設・維持管理は完全に無料ですから、気楽にトライしてみてください。

>>SBI証券の公式ページから口座開設(無料)

>>楽天証券の公式ページから口座開設(無料)

1.3 STEP3:購入する投資信託を選ぶ

証券口座を開設したら、いよいよ投資信託選びです。大事なテーマなので、投資信託選びの詳細は、「失敗しない投資信託の選び方:おさえるべき3つのNGと6つのポイント」でじっくり解説していますので、STEP4まで一通りの流れを確認した後で見てみてください。

1.4 STEP4:投資信託を買うースポットか積立か

投資信託の買い方は大きく2つあります。1つは、買いたい時にその都度買う「スポット購入(単純に購入、通常購入と表現されることも多いです)」。もう1つは、例えば毎月1回という形で、一定期間ごとに購入する「積立投資」です。

下表は投資信託の取扱本数が多いネット証券の、積立投資の最低購入金額をまとめたものです。積立投資の場合は1回ごとの購入額は500-1,000円と、ごく少額から買うことができる証券会社もあります。少しずつ投資をして、長期の資産形成をしたい方には積立投資が向いていると思います。

スポット購入については、「A投資信託を1万円分」という形で、金額ベースで注文する証券会社と、「A投資信託を1万口(くち)」という形で口数(くちすう)ベースで注文する証券会社、さらにはその両方に対応する証券会社があります。口数単位で注文をする場合には、対象となる投資信託の基準価額によって必要資金が変わってきますが、基本的にスポット購入は「1万円程度」から可能と考えて差し支えありません。

証券会社名  最低積立金額
SBI証券 500円
楽天証券 1,000円
マネックス証券 1,000円
auカブコム証券 500円
SMBC日興証券 1,000円
フィデリティ証券 10,000円

出所:各社ウェブサイトよりLIMO編集部作成

2 買いたい投資信託が決まっている方は、販売手数料無料で買える金融機関を探してみよう

買いたい投資信託が決まっている方は、販売手数料無料で買える金融機関がないか、探してみましょう。手順は簡単。主なネット証券に加えて、投資信託の直販を手掛けている運用会社の公式ウェブサイトを確認するだけです。なお、販売手数料は買付手数料、申し込み手数料と表現されることもあります。また、「ノーロード」と書かれていれば販売手数料無料という意味です。

口座開設や、投資信託の買い方は、上記の4ステップを参考にしてください。

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3 まとめ

投資信託の買い方について、なんとなくイメージいただけたでしょうか?

次は、「失敗しない投資信託の選び方:おさえるべき3つのNGと6つのポイント」を読んで、具体的な投資信託を選ぶ基準や手順について、イメージをつかみましょう。証券会社の口座開設をした上で読んでいただけると、よりイメージをつかみやすいと思います。

LIMO編集部