2. 遺族年金の見直し《もらえる夫》はどんな人?
遺族年金の見直し後は、60歳未満で妻に先立たれた夫も、原則として5年間、遺族厚生年金を受け取ることができるようになります 。この5年間支給される年金には、新たに「有期給付加算」が上乗せされ、現在の遺族厚生年金の約1.3倍の金額を受け取れるようになります 。
例えば、2028年4月以降の制度見直し後に、こんなケースではどうなるでしょう?
2.1 30歳の夫、30歳の妻(死亡時まで厚生年金に加入)、子どもなし
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ステップ①:30歳時点で妻に先立たれてしまった場合
遺族厚生年金の「有期給付」が原則5年間で開始されます。有期給付には「有期給付加算」があり、支給額は現行制度より約1.3倍に増額します。また、年収850万円以下などの制限は廃止されるので収入要件はありません。
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ステップ②:35歳になって有期給付が終了
ただし、以下の条件を満たすと「継続給付」が受けられます
所得や障害の状態など条件に応じて、最長で65歳まで給付を継続して受けられることもあります。
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ステップ③:65歳になると…
65歳になると、「夫」本人の老齢厚生年金の受給が始まります。継続給付を受けていた場合は、この老齢年金の支給開始とともに、遺族厚生年金の支給は終了します。
2.2 子どもがいる場合
子どもがいる家庭では、2028年4月以降も18歳年度末までは現行制度と変わらず、遺族厚生年金を受け取れます。その後は、5年間の加算付きの有期給付と、条件を満たせば継続給付に移行します。また、遺族基礎年金の「子の加算額」も増額され、年間約23.5万円から約28万円に引き上げられます