2025年6月20日に総務省統計局から「小売物価統計調査(動向編)」の最新結果が公表され、食品や日用品の値上がり傾向が明らかになりました。今回は、この調査と金融庁がまとめたNISAの利用状況をもとに、インフレが家計に与える影響と、資産形成に向けた備えとしてのNISA活用法についてわかりやすく解説します。

1. 「今ってこんなに値上がりしてるの?!」気づかぬうちに値上がりするモノの値段

日々の買い物で、いつの間にか商品の値段が上がっていることに気づくことがあります。私たちの日常の食卓にかかせない「卵」1パックの価格や「ソース」1本、身近な商品である食品を包む「ラップ」の価格を10年前と比べてみましょう。6月20日に公開された総務省統計局の5月「小売物価統計調査(動向編)」を参考にみていきます。

1.1 卵1パックの値段で比べてみる(東京都区部)

【今】2025年5月:314円
【10年前】2015年5月:246円
 →68円値上がりしている(約1.3倍アップ)

1.2 ソース1本の値段で比べてみる(東京都区部)

【今】2025年5月:320円
【10年前】2015年5月:227円
 →93円値上がりしている(約1.4倍アップ)

1.3 ラップ1本の値段で比べてみる(東京都区部)

【今】2025年5月367円
【10年前】2015年5月159円
 →208円値上がりしている(約2.3倍アップ)

現在、日本では食品や日用品を中心に、物価が上がり続けるインフレの状態が続いています。インフレとは、モノやサービスの価格が全体的に上がり、お金の価値が下がっていく現象のことです。たとえば、以前は100円で買えていた商品が、同じ100円では買えなくなるような状態を指します。身近な商品の値上がりを見てもわかるように、インフレは私たちの生活にじわじわと影響を与えています。こうした物価上昇に対応するためにも、将来に向けた資産づくりがますます重要になっています。