梅雨が明け、厳しい日差しが降り注ぐ7月となりました。夏の電力需要が増加する中で電気料金の値上げも気になりますし、食料品や日用品の価格も高止まりが続いています。

このような状況の中、将来の生活資金や老後資金について漠然とした不安を抱いている方も少なくないでしょう。資産形成の重要性が叫ばれる一方で、「何から始めたらいいかわからない」「投資は難しそう」と感じている方もいるかもしれません。

そんな方におすすめしたいのが、「新NISA」です。非課税で効率的な資産運用を可能にするこの制度は、私たちの未来の暮らしを豊かにする可能性を秘めています。本記事では、新NISAの具体的なメリットと活用術をわかりやすく解説します。

1. 【今さら聞けない】新NISAを利用すると「どんなメリット」がある?

NISA(ニーサ)は、2014年に開始された資産形成支援のための制度で、2024年に制度が見直され「新NISA」として改定されました。

この制度の大きなメリットは、投資で得た利益に対して課税がされないことです。

通常、利益や配当金には約20%の税金がかかりますが、NISAを活用することでこれらの税金が免除され、利益をまるごと受け取ることが可能になります。

新NISA「非課税」のしくみ1/3

新NISA「非課税」のしくみ

出所:金融庁「NISAを知る」

ただし、NISAでは投資可能な金額や対象となる商品に一定の制限があるため、利用前に押さえておきたいポイントを確認しておくことが重要です。

1.1 「新NISA」の特徴を知ろう!知っておきたいポイント6つ

「新NISA」の主な特徴は、以下の6つです。

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴2/3

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」

  • 非課税保有期間は無期限
  • 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能
  • 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
  • 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
  • つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
  • 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」

「投資」という言葉から、まとまった資金が必要と思われがちですが、実際には500円や1000円といった少額から始められる商品が増えています。

NISAを利用すれば、投資信託や株式も少額で購入することが可能です。

次章では、毎月コツコツ積み立てた場合に、将来どれくらいの資産が築けるのかシミュレーションを行ってみましょう。

2. 【利回り別に試算】50歳から65歳「毎月5万円」で積立投資シミュレーション

この章では、新NISAを活用した積立投資でどれほどの資産が形成できるかを、以下の前提条件に基づき、利回り1%から5%の範囲でシミュレーションしていきます。

  • 50歳から65歳までの15年間で老後資金をつくる
  • 積立額は毎月5万円
  • 投資信託は「安定的な運用」を重視した1~5%の商品

2.1 【試算結果を確認】「毎月5万円」×15年×「年1~5%」で積立投資

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

【新NISA】運用利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

 

想定利回り:資産評価額(元本部分は900万円)

  • 年1%:970万6000円
  • 年2%:1048万6000円
  • 年3%:1134万9000円
  • 年4%:1230万5000円
  • 年5%:1336万4000円

15年間にわたり毎月5万円を積み立てることで、1000万円を超える資産形成が期待できます。

元本は合計900万円ですが、運用次第で70万円から436万円ほどの増加が見込まれます。

ただし、投資にはリスクが伴うため注意が必要です。

高いリターンを狙える商品ほど、それに見合ったリスクも高くなることを理解しておきましょう。

3. 【積立額別に試算】15年間で「2000万円」を作る想定でシミュレーション

老後に必要な資金は世帯によって異なりますが、仮に2000万円を用意する場合、50歳から65歳までの15年間で毎月どれほど積み立てる必要があるかをシミュレーションしてみましょう。

3.1 【試算結果を確認】「15年間」×3%で積立投資

【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果

【新NISA】積立金額別「運用利回り3%」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

 

毎月の積立金額:資産評価額

  • 1万円:227万円
  • 3万円:680万9000円
  • 6万円:1361万8000円
  • 9万円:2042万8000円
  • 12万円:2723万7000円

※想定利回り:年3%

シミュレーションによると、年利3%で15年間運用した場合、毎月9万円の積立で「2000万円以上」の資産を築けることがわかりました。

しかし、毎月9万円は決して「少額」とは言えない金額です。

さらに、利回りは保証されたものではないため、思い通りに運用できず目標額に届かないリスクもあります。

老後資金のための積立投資は、できるだけ早く始めることが大切です。

20歳代や30歳代で始めても決して早すぎることはなく、例えば、年利3%で30歳から65歳までの35年間積み立てる場合、毎月の積立額は「2万6971円」となります。

このように、早い段階から投資を始め、時間をかけることで毎月の負担を軽減することができるでしょう。

4. まとめにかえて

NISAを活用した運用をはじめる際は、必要額や想定利回りから、毎月の積立額を決めることが大切です。

積立投資に早すぎる、遅すぎる、ということはありませんが、老後までの時間が長いほど毎月の積立額は少なく済みます。

若いうちから資産運用について考えておくことに損はありません。

一方、投資信託を活用した資産運用には、元本割れのリスクがつきものです。

長く運用するほどリスクは軽減できるとされていますが、リーマンショックのような大きな出来事が起きると、一時的に資産が減少してしまう可能性があります。

リスクも理解したうえで、計画的に資産運用に取り組むことが大切です。

5. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説

年金Q&Aまとめ3/3

年金Q&A

出所:日本年金機構などをもとにLIMO編集部作成

「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。

5.1 年金の仕組みってどうなってるの?

まず、日本の公的年金は「2階建て」構造です。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。

国民年金

国民年金は、20歳から60歳未満の全員が加入対象。特に自営業やフリーランスの方がメインです。

毎月決まった金額を支払います。いわば、年金の基礎部分です。

厚生年金

厚生年金は、会社員や公務員の方が加入対象です。こちらは収入に応じて保険料が変わるので、もらえる年金額も収入の影響が大きくなってきます。

そのため、個人差が出やすくなっています。

5.2 「繰下げ受給」って実際どうなの?

通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。

たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。

もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。

5.3 年金や老後資金をもっと増やすには?

繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。

国民年金の付加保険料を払う

自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。

厚生年金に加入する

もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。

資産運用に挑戦

iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。

ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。

これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?

ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。

参考資料