今年も暑い夏がやってきました。梅雨が明け、厳しい日差しが降り注ぐ中、老後の生活資金について考える方も少なくないでしょう。

特に年金は、退職後の生活を支える大切な柱となります。日本の年金制度は「2階建て」と表現されるように、国民年金と厚生年金から成り立っていますが、それぞれの仕組みや、自分が将来どれくらいの年金を受け取れるのか、具体的に把握できているでしょうか。

本記事では、公的年金の基本的な仕組みから、2025年度の年金額改定、そして年齢別の平均受給額まで詳しく解説します。

1. 日本の公的年金、どんな仕組み?

まずは日本の公的年金制度の基本を押さえておきましょう。

日本の年金は、「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の2階建て構造で成り立っています。

厚生年金と国民年金の仕組み

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 国民年金(1階部分)の基本をおさらい

  • 加入者:日本に住む20歳から60歳までの原則すべての人
  • 保険料:全員一律
  • 受給額:40年間欠かさず納めれば満額。納付状況に応じる

1.2 厚生年金(2階部分)の基本をおさらい

  • 加入者:会社員や公務員、またパートで特定適用事業所に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入
  • 保険料:収入に応じて(上限あり)変わる
  • 受給額:加入期間や納めた保険料により個人差が大きく出やすい

公的年金はこのような仕組みで構成されていますが、実際の受給額には個人ごとに大きな差が生じています。