FPである筆者のもとに、「急な物価上昇で、将来の生活費が心配」とご相談に来られる方が増えております。日本は約30年、おおきく物価の上がらない時代を経てきました。

しかしここ最近の物価上昇率は年3%を超えており、私たちの生活に影響が出ていることも事実です。特に、年金受給世代は受け取れる年金がなかなか増えず、生活が困窮している方もいらっしゃいます。

そんな世帯へ向けた給付金の制度が「年金生活者支援給付金」です。この記事では「年金生活者支援給付金」の支給要件や、請求手続についてわかりやすく解説します。

1. 【公的年金】厚生年金・国民年金「平均月額」はいくら?

厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です。

国民年金・厚生年金《平均月額と個人差》

国民年金・厚生年金の平均月額(男女全体・男女計)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

ただしグラフのように、厚生年金を月額25万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額2万円未満の低年金となる人まで、幅広い受給額帯に分布しています。

年金とその他の所得を含めても、一定基準以下の低所得となる場合には「年金生活者支援給付金」が受け取れる可能性があることをご存じでしょうか。

次では、この「年金生活者支援給付金」の支給要件や金額について整理していきましょう。