4. 手取りは増えず金銭価値は目減り、私たちがすべきことは?
私たちの手取りは社会保険料などの徴収によりなかなか増えません。さらに、物価が賃金を上回る上昇率となっているため、金銭価値も目減りしてきている状況です。こうした状態だからこそ、NISAでインフレに強い資産をつくる必要があるでしょう。
NISAは運用益が非課税になるのが特徴の制度です。通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかりますが、NISA口座での取引では税金がかからないため、手元に通常よりも多くの利益を残せます。非課税で保有できる限度額は、1800万円(成長投資枠は1200万円)です。
加えて、株式やETFなどの取引ができる「成長投資枠」を使えば、配当金の受け取りも可能です。配当金を受け取れれば、自由に使えるお金を増やせます。配当利回りの高い商品や銘柄に投資し続ければ、給料以外の安定収入をつくれるでしょう。
NISAは運用の途中で売却できるため、資金が必要になったときは一部を取り崩して現金化できます。売却時は、売却した分だけ非課税で保有できる限度額が減少しますが、翌年になると減少した分は復活します。ライフステージにあわせた取り崩しや急な資金需要にも十分対応可能です。
NISAを活用して、インフレに負けない資産づくりを始めてみましょう。
5. まとめ
賃上げの波及効果が思うように現れず、物価の上昇や社会保険料の負担増加により、手取りが増えていかない現状が続いています。賃上げだけでは、国民の懐はなかなか潤っていかないようです。
このままでは、今後も国民負担率が上昇していくでしょう。少しでも手元に残せるお金を増やすべく、資産運用や家計の見直しなどをしていきましょう。また、国の経済施策の注視も重要となるでしょう。
参考資料
- 財務省「令和7年度の国民負担率を公表します」
- 財務省「国民負担率の国際比較(OECD加盟36ヵ国)」
- 全国健康保険協会「令和7年3月(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」
- 厚生労働省「令和7(2025)年度 雇用保険料率のご案内」
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度の概要について」
- 金融庁「NISAを知る」
石上 ユウキ