2. 私たちの手取り増を阻害する「社会保険料」の負担
社会保険料の負担は、税金よりも重いものになってきています。東京都在住の年収360万円(月収30万円)の人を例に、社会保険料の金額を試算してみましょう。
私たちの手取り増を阻害する「社会保険料」の負担

出所:全国健康保険協会「令和7年3月(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」、厚生労働省「令和7(2025)年度 雇用保険料率のご案内」をもとに筆者作成
- 健康保険料:17万8380円
- 介護保険料:2万8620円
- 厚生年金保険料:32万9400円
- 雇用保険料:1万9800円
- 差し引かれるお金の合計(年額):55万6200円
- 差し引かれるお金の合計(月額):4万6350円
年収の15%程度に相当する、年間約55万円が社会保険料として差し引かれます。年収360万円の人の一般的な税金は、所得税が年間約5万円、住民税が年間約15万円であるため、税金の2倍以上の金額を支払っていることになります。
物価高の現在において「このお金がもし引かれなければ」と考えたことがある人もいるのではないでしょうか。社会保険は私たちの医療や年金、雇用にかかわる重要なお金ですが、保険料の納付負担は、私たちの生活や消費活動にも影響をおよぼしているといえるでしょう。
そして、2026年4月からは、さらなる負担増が予定されています。負担増の要因である「子ども・子育て支援金」について、次章で解説します。