2. 離職率や退職理由とは?
次に日本看護協会「2024年病院看護実態調査 報告書」より、離職率も見ていきましょう。
- 正規雇用看護職員離職率:11.3%
- 新卒採用者離職率:8.8%
- 既卒採用者離職率:16.1%
※看護職員は保健師・助産師・看護師・准看護師(看護補助者は含まない)
※フルタイム勤務および短時間勤務の正規雇用職員対象(パート、アルバイト、臨時職員、嘱託等は含まない)
なお、新卒採用看護師(正規雇用)のうち年度末までに退職した者が1名以上いる病院に、看護管理者が考える主な退職理由を聞いたところ、多い順に「健康上の理由(精神的疾患)」52.5%、「自分の看護職員としての適性への不安」47.4%、「自分の看護実践能力への不安」41.6%、「上司・同僚との人間関係」29.8%、「他施設への関心・転職」21.8%などとなりました(5つまでの複数回答)。
3. まとめにかえて
看護師は資格職ということもあり、また平均的な収入も高く、ライフイベントにより働き方が影響されやすい傾向にある女性にとって人気な仕事の一つとなっているでしょう。
以下は国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」による、全体の年代別の平均年収です。
3.1 20〜50歳代の平均年収一覧表
3.2 【年代別】平均年収一覧表
- 25〜29歳:394万円(男性429万円・女性353万円)
- 30〜34歳:431万円(男性492万円・女性345万円)
- 35〜39歳:466万円(男性556万円・女性336万円)
- 40〜44歳:501万円(男性612万円・女性343万円)
- 45〜49歳:521万円(男性653万円・女性343万円)
- 50〜54歳:540万円(男性689万円・女性343万円)
- 55〜59歳:545万円(男性712万円・女性320万円)
男性は年代が上がるごとに増えていますが、女性は30歳代以降は300万円台を推移しています。
これには育児などにより働き方をセーブしているためと考えられます。
会社員の場合、実際には個人差がありますが、一度働き方をセーブしたり、離職したりすると以前のようなキャリアを築きにくいと感じるところもあるでしょう。
一方で、職業には適性がありますから、自身に合っているかを慎重に考える必要があります。
しっかりと職業研究を行ったり、働く環境などについても調べたりして総合的に考えることが大切でしょう。
参考資料
- PRTIMES「「子どもの生活と学びに関する親子調査2024」結果 高校生のなりたい職業No.1は男女ともに「教員」 10年前と比較し、YouTuber、SEなどIT関連職の人気も上昇」
- 国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」
- 厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「看護師」
- 厚生労働省「図表1-2-25 看護師の年齢階級別平均賃金(役職者含む)(月収換算)」
- 日本看護協会「2024年病院看護実態調査 報告書」
宮野 茉莉子