金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査 [二人以上世帯調査](2017年)」によると、「金融資産※の有無」の質問に「銀行等の預金口座、または証券会社等の口座に残高がない」と回答した世帯の割合は14.1%となっています。

家族がいる場合は万が一に備えて少しでも貯金したいという気持ちになると思いますが、貯金ができないままだと自転車操業で厳しい状況が続くことになってしまいます。一方、収入の多い少ないが貯金の額に直結するとは限りません。年収1000万円あったとしても、無計画に浪費すれば毎月お金が残らないこともあるでしょう。

いずれにしても、家計が厳しいといつもお金の心配をすることになり、家族の仲も険悪になりがちですよね。では、貯金ゼロや赤字家計を脱出するためにはどうすればいいのでしょうか?

※「金融資産」には預貯金以外にも保険や有価証券、その他金融商品が含まれます。

まずは身の丈に合った生活ができているかチェック

最も基本的なことは、収入の範囲内で身の丈に合った生活ができているかというチェックをすることです。これは、家計に行き詰まった都度行うと良いでしょう。

家計は毎月支払い額が同じくらいになる固定費と、月によって金額が変わる変動費に分かれます。家計を楽にするためには、まず固定費の見直しをすると継続的な節約につながります。

たとえば、固定費の中で一番大きい金額になるのは家賃でしょう。住居は一度契約をしてしまうと転居するのは大変なので契約時は慎重に考えることが必要です。

ただ、住み始めてはみたものの生活が苦しくなってしまったという場合はそのまま放置するのではなく、身の丈に合った物件に引っ越したほうが一時的に費用がかかったとしても後々が楽になる場合も多いでしょう。仮に家賃が2万円安くなるとすると年間24万円、5年で120万円と、長期で見るほど節約できることになります。

変動費には食費、日用品代、美容費、被服費、娯楽費などがありますが、収入から固定費や貯金に回す金額を差し引いた額を計算し、そこから各項目に割り振ると管理しやすくなります。根っからの節約家でもない限り、変動費をしっかり把握しておかないと簡単に支出超過になってしまうので、あらかじめ使える額を設定することが大切です。

美容費は女性としては削りたくないと思いますが、家計が苦しいときには妥協も考えなくてはいけません。美容院に行かずに自宅でヘアカラーやトリートメントをしたり、化粧品はドラッグストアで購入できる安いものに切り替えたり、時には生活のために節約するのも大切です。

ただし、誰か一人にしわ寄せがくるのではストレスが溜まってしまうので、家族でしっかり話し合いながら何を削るのかを決めていきましょう。

計画外の予定のために予備費を準備

どんなに計画をしっかり立てていたとしても予想外の出費はありますよね。そんな時のために、月々予備費も1万円ほど用意しておくと安心です。この予備費は食費などが足りなくなったら使うということはせず、急な行事への参加、身内などの不幸といった不測の事態に対応するためのものとします。

どうしても、という場合は仕方がありませんが、予備費を変動費の一部に使うと甘えが出てしまうので、余程のことがない限り使わないようにして、余ったら貯金に回すようにしましょう。

ギリギリの生活を当たり前にせず、貯金の目標を立てる