梅雨の時期は雨が多く、自転車に乗る際に傘を差す方も見かけますが、これは交通違反になる可能性があります。知らずにやってしまいがちな運転習慣の中には、重大な事故につながりかねないものもあります。

今回は、警察庁交通局の自転車事故の統計をふまえ、意外と見落としがちな交通ルール4選と《身を守る備え》である自転車保険の基本について解説します。

1. 「どんな事故が多いの?」自転車の交通事故の実態

警察庁交通局によると、自転車が関わる死亡・重傷事故では「ぶつかった相手」の約75%が自動車で、最も多くなっています。

相手方当事者別自転車関連死亡・重傷事故件数と事故類型別「自転車対自動車」死亡・重傷事故件数(第1・第2当事者)【令和2年~令和6年合計】1/6

相手方当事者別自転車関連死亡・重傷事故件数と事故類型別「自転車対自動車」死亡・重傷事故件数(第1・第2当事者)【令和2年~令和6年合計】

出所:警察庁交通局「自転車は車のなかま~自転車はルールを守って安全運転~」

自転車と自動車の事故のうち、約55%が交差点などでの「出会い頭の衝突」で事故のなかで最も多く発生しています。

その背景には、自転車側の安全確認不足や一時不停止といったルール違反も関係しているようです。事故を防ぐには、普段の運転習慣を見直すことが欠かせません。

中でも注意したいのが、「傘さし運転」など事故につながる可能性もあるような運転行為です。

2. 【自転車運転】意外と見落としがちな交通ルール4選

梅雨の時期は雨の日が多く、傘を差しながら自転車に乗る人も見かけますが、これは交通違反にあたる可能性があります。

2.1 傘を差すなどの片手運転の禁止

傘を差すなどの片手運転はふらつきや視界不良を招き、非常に危険で、都道府県によっては明確に禁止されています。違反した場合には、最大で3ヶ月間刑事施設に収容されるか、または5万円以下の罰金が科される可能性があります。安全のためにも、雨の日はレインコートを活用するなど、ルールを守った運転を心がけましょう。

傘さし運転による片手運転の他にも、事故につながる可能性もあるような運転行為をみていきましょう。

2.2 並進の禁止

日本では、基本的に自転車が2台以上並んで走ることは禁止されています。 道路標識などで許可されている場合を除き、これは交通違反となります。違反した場合には、2万円以下の罰金または科料が科される可能性があります。

2.3 二人乗りの禁止

自転車は、基本的に二人乗りをしてはいけません。もし違反した場合は、5万円以下の罰金が科される可能性があります。ただし、幼児二人同乗用自転車のように、例外として二人乗りが認められている自転車もあります。

2.4 携帯電話使用等の禁止(「ながらスマホ」運転の禁止)

携帯電話使用等の禁止5/6

携帯電話使用等の禁止

出所:警察庁交通局「自転車に係る主な交通ルール」

令和6年11月から、自転車運転中の「ながらスマホ」が道路交通法で禁止され、罰則が強化されました。手でスマホを持って通話したり画面を見たりするだけでなく、自転車に取り付けたスマホの画面を注視する行為も違反の対象です。これにより、交通の危険を生じさせた場合は最大で1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科される可能性があり、安全運転がより強く求められています。

このように、自転車を安全に利用するためには、様々な交通ルールを知り、守ることが大切です。しかし、どれだけ注意していても、万が一の事故のリスクはゼロではありません。そこで、《身を守る備え》として必要になるのが自転車保険です。

3. 《身を守る備え》【自転車保険】の補償は主に2つ

現在すでに多くの自治体で自転車保険の加入が義務化されており、通勤や通学などの日常で自転車を使う人には欠かせない備えになります。

基本の補償は大きく分けて2つあります。ひとつは、他人にケガをさせたり物を壊してしまった場合に備える「個人賠償責任補償」。もうひとつは、自分自身がケガをしたときに対応できる「傷害補償」です。

【自転車保険】基本の補償は2つ6/6

【自転車保険】基本の補償は2つ

マネー編集部保険班作成

3.1 補償①相手に対する個人賠償責任補償

相手にケガをさせてしまったり、物を壊してしまった場合の補償です。高額な賠償に備えるためにも、補償額が無制限か1億円以上など、十分な金額を設定している保険を選ぶとより安心できます。

3.2 補償②:自分への傷害補償

自分自身が自転車の運転によってケガをしたときに、治療費などをカバーする補償です。入院・通院・手術費用のほか、死亡や後遺障害への保障が含まれるかどうかも確認が必要です。補償の範囲や金額はプランによって異なるため、通勤・通学スタイルに合った内容を選ぶことが大切です。

また、自転車保険はクレジットカードや自動車保険などに付帯されている場合もあります。新たに加入する前に、現在加入している保険の補償内容を確認しておくと安心です。

4. まとめにかえて

今回は、警察庁交通局の自転車事故の統計をふまえ、意外と見落としがちな交通ルール4選と《身を守る備え》である自転車保険の基本について解説しました。

自転車を安全に利用するためには、交通ルールの遵守はもちろんのこと、万が一の事故に備えるための自転車保険が不可欠です。ご自身の利用状況に合った補償内容の保険を選び、安心して自転車ライフを送りましょう。既存の保険に付帯されている場合もあるため、まずは内容を確認することをおすすめします。

参考資料

マネー編集部保険班