6月は住民税の決定通知書が届く時期ですね。

働き盛りの現役世代のみなさんにとっては、日ごろの収入からどのようなお金が差し引かれているのか、サラリーマンのみなさんならば、改めて給与明細をじっくりと見直すきっかけになるかもしれません。

現役時代に給与から天引きで納めるお金の一つに「年金保険料」があります。現役時代の年金加入状況は、遠い老後の年金額に繋がるものです。

今回は、公的年金の基本的なしくみを整理したあと、シニア世代の年金受給事情にフォーカス。「厚生年金の受給権者で、年額240万(月額20万円)」の年金を受け取る人はどのくらいいるのかを見ていきます。

また、年金受給中の人へ6月に届く「年金振込通知書」の見方を解説しながら、「年金から天引きされるお金」についても確認していきます。

1. 【年金しくみ図】国民年金+厚生年金《公的年金制度は2階建て構造》

日本の公的年金制度は「2階建て」

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

公的年金の支給日は「偶数月の15日」。15日が土日・祝日にあたる場合、直前の平日に前倒しされます。

日本の公的年金制度は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。それぞれの基本を整理しましょう。

1.1 国民年金(1階部分)

  • 加入対象:日本に住む20歳以上から60歳未満の全ての人が原則加入
  • 年金保険料:全員一律(※1)
  • 老後の受給額:40年間欠かさず納めれば満額(※2)
  • 被保険者:第1号~第3号に分かれる(※3)

※1 国民年金保険料の月額:2025年度 1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額:2025年度 6万9308円
※3 第1号被保険者は農業者・自営業者・学生・無職の人など、第2号被保険者は厚生年金の加入者、第3号被保険者は、第2号被保険者に扶養されている配偶者

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 加入対象:会社員や公務員、またパート・アルバイトで特定適用事業所(※4)に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入
  • 年金保険料:収入に応じて決まり(※5)、給与からの天引きで納付
  • 老後の受給額:加入期間や納めた保険料により個人差あり
  • 被保険者:第1号~第4号に分かれる(※6)

※4 1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※5 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※6 第1号は、第2号~第4号以外の、民間の事業所に使用される人、第2号は国家公務員共済組合の組合員、第3号は地方公務員共済組合の組合員、第4号は私立学校教職員共済制度の加入者

次では、それぞれの平均年金月額を、厚生労働省の一次資料をもとに見ていきます。