野山が美しく色づき、紅葉が見頃を迎えています。

肌寒さが日ごとに増しているため、そろそろ冬支度をはじめている方も多いのではないでしょうか。

物価高に加え、光熱費をはじめとする暖房費用の負担が気になる季節になりました。

老後受給できる年金額は、現役時代の働き方や勤続年数、企業規模などによって個人差が生じます。

12月15日は今年最後の年金支給日になりますが、一度の支給で30万円(月額15万円)もらえる人は何%いるのでしょうか。

今回は、厚生労働省年金局の調査結果をもとに、2カ月に一度「厚生年金+国民年金」を30万円(月額15万円)もらえる人がどれくらいいるのか解説します。

「年金やその他の所得が一定基準額以下」になる方を対象に、年金に上乗せして支給される《老齢年金生活者支援給付金》についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1. 【日本の公的年金は2階建て】国民年金・厚生年金「加入対象者は?」

日本の公的年金制度は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」から成り立つ2階建て構造となっています。

厚生年金と国民年金の仕組み

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

この2つの年金制度の基本を、確認していきましょう。

1.1 【1階部分】国民年金

加入対象

  • 原則として日本に住む20歳から60歳未満のすべての人

年金保険料

  • 全員定額、ただし年度ごとに改定される(※1)

老後の受給額

  • 保険料を全期間(480カ月)納付した場合、65歳以降で満額の老齢基礎年金(※2)を受給できる。未納期間分に応じて満額から差し引かれるしくみ。

※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円

1.2 【2階部分】厚生年金

加入対象者

  • 会社員や公務員、またパートで特定適用事業所(※3)に働き一定要件を満たす人が、国民年金に上乗せで加入

年金保険料

  • 収入に応じて(上限あり)決定される(※4)

老後の受給額

  • 加入期間や納付済保険料により、個人差が出る

2階部分の厚生年金は、会社員や公務員が国民年金に上乗せして加入します。国民年金と厚生年金では、加入対象や年金保険料の決定方法、そして受給額の計算方法などが異なります。

そのため、老後に受け取る年金額にも、その方の加入状況や収入によって差が生まれます。

また、公的年金額は物価や現役世代の賃金の変動に応じて毎年度見直される仕組み(スライド調整など)となっている点も重要なポイントです。

次章では、2025年度(令和7年度)の年金額を見ていきましょう。

※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。