5. 【65歳以上・無職夫婦世帯】老後の「ひと月の生活費」はいくら？
5.1 【65歳以上・無職夫婦世帯】収入：25万2818円
■うち社会保障給付（主に年金）：22万5182円
5.2 【65歳以上・無職夫婦世帯】支出：28万6877円
■うち消費支出：25万6521円
- 食料：7万6352円
- 住居：1万6432円
- 光熱・水道：2万1919円
- 家具・家事用品：1万2265円
- 被服及び履物：5590円
- 保健医療：1万8383円
- 交通・通信：2万7768円
- 教育：0円
- 教養娯楽：2万5377円
- その他の消費支出：5万2433円
- うち諸雑費：2万2125円
- うち交際費：2万3888円
- うち仕送り金：1040円
■うち非消費支出：3万356円
- 直接税：1万1162円
- 社会保険料：1万9171円
5.3 【65歳以上・無職夫婦世帯】家計収支
- ひと月の赤字：3万4058円
- エンゲル係数（※消費支出に占める食料費の割合）：29.8%
- 平均消費性向（※可処分所得に対する消費支出の割合）：115.3％
65歳以上の夫婦世帯の家計を見ると、月間の平均収入は25万2818円となっており、その多くを公的年金などの社会保障給付が占めています。
一方で、毎月の支出は28万6877円に達しており、その内訳は、日々の生活に必要な消費支出が25万6521円、税金や社会保険料などの非消費支出が3万356円です。
また、平均消費性向は115.3％で、収入を超える支出となっており、毎月3万4058円の赤字が発生している計算になります。
この不足分は、蓄えてきた貯蓄を取り崩して補っているケースが多いと考えられます。
生活を維持するためには、支出の見直しや、健康状態に応じて無理のない範囲で収入を確保する工夫も検討したいところです。
6. 自分に合った方法で資産形成を
今回は、平均的な貯蓄額や生活費などを中心に、シニア世帯の家計事情について解説してきました。
現実的には、貯蓄だけで理想的な老後を過ごすのは、以前よりも難しくなってきています。背景には、物価の上昇によって、貯蓄や年金の価値が目減りしていることも一因といえるでしょう。
そこで銀行預金だけでなく「資産運用」を活用する方も増えてきました。
特に最近では、NISAやiDeCoといった資産形成をサポートする国の制度が整い、投資に不慣れな方でも少額から始めやすくなっています。
とはいえ、投資には値動きや元本割れといったリスクも伴います。損をする可能性もあるからこそ、仕組みを理解した上で、自分に合った方法で無理なく活用していきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」
- 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」
- J-FLEC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査（2024年）」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年（令和5年）平均結果の概要」
マネー編集部貯蓄班
