1. 日経平均は3万8000円台を回復できず

2025年5月30日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は467円88銭安の3万7965円10銭となりました。米国際貿易裁判所は28日、トランプ政権の関税政策について、大部分を違法とし、相互関税やカナダなどへの追加関税の差し止めを命じました。ところが、二審にあたる米連邦巡回区控訴裁判所は29日、この判決を一時的に停止することを命じました。関税の差し止め命令は当面発効せず、関税の徴収は続くことになります。これを受けて、投資家の間に関税政策の先行き不透明感が広がりました。日経平均の下げ幅は一時600円を超えました。

今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は、前日比54ドル34セント高の4万2270ドル07セントで終えています。続伸ですが、上げ幅は大きくありませんでした。トランプ氏が同日、自身のSNSに、中国が米国との「合意を完全に破っている」と投稿したことから、米中対立への懸念が再び高まり、一時、300ドルあまり下げる場面もありました。

また同日、トランプ氏は米国に輸入される鉄鋼とアルミにかける追加関税を50%に引き上げると表明しました。6月4日から実施されます。日本株も週初から輸出関連銘柄などを中心に売られる展開になりそうです。為替相場も米国の動向に振られる展開が続いています。足元では円高・ドル安傾向になっています。自動車や機械などの輸出関連企業には向かい風です。

今週は2日に5月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数、6日に5月の米雇用統計が発表されます。内容によってはドルが買い戻される展開になるでしょう。欧州では5日に欧州中央銀行(ECB)の政策金利発表が行われます。7会合連続の利下げが決まると見られています。5日には任天堂のNintendo Switch 2が発売されますが、株価については織り込み済みといったところです。

足元では円高・ドル安傾向になっています。自動車や機械などの輸出関連企業には向かい風です。

日経平均株価

MISTER DIN/shutterstock.com