4. 老齢年金の《個人差・男女差》国民年金・厚生年金「みんなの平均月額はいくら?」

現代のシニア世代はどれくらいの年金を受け取っているのでしょうか。

厚生労働省が公表している「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータをもとに、60歳以上のすべての受給権者が受け取る年金額を見てみます。

4.1 厚生年金の平均年金月額

〈全体〉平均年金月額:14万6429円(国民年金部分を含む)

  • 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万7200円

4.2 国民年金の平均年金月額

〈全体〉平均年金月額:5万7584円

  • 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万5777円

厚生年金(国民年金部分を含む)の受給額は、個人の働き方や加入期間、収入によって大きく異なるため、2万円未満の低額受給者から30万円を超える高額受給者まで幅広く分布しています。

国民年金のみを受給する場合でも、受給額に幅がありますね。

5. 「年金だけでは日常生活費もカバーできない」60歳代・70歳代で約3割

金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024」では、二人以上世帯のうち60歳代の32.6%、70歳代の30.6%が、「年金だけでは日常生活費程度もまかなうのが難しい」と回答しています。

5.1 年金にゆとりがない理由とは?

年金のみでは「ゆとりのある生活」が難しいと考える理由として、最も多かったのは物価上昇による支出の増加です。この項目は、60歳代の63.3%、70歳代の62.8%が理由として挙げています。

次いで、医療費の負担増加に対する不安が示されており、60歳代で28.3%、70歳代では34.8%に達します。また、介護費の負担増加についても、60歳代の18.1%、70歳代の26.4%が不安の声を上げています。

6. まとめにかえて

今回は、年金生活者支援給付金について、概要・支給要件・給付金額・手続き方法を整理してお伝えしました。

この年金生活者支援給付金は、支給要件を満たす限り「ずっと受け取れる」支援です。

すべての世帯の家計を劇的に改善させる金額とは言えないかもしれませんが、支給対象となった場合はしっかり受け取り活用しましょう。

参考資料

長井 祐人