2025年5月30日に総務省が公表した「2020年基準消費者物価指数 東京都区部 2025年(令和7年)5月分(中旬速報値)」によると、消費者物価指数の総合指数が「前年同月と比べ3.4%上昇している」ことがわかりました。
現役世代と比べ、収入が少なくなる傾向にある「年金を受給している世代」はとくに生活費の負担が生じやすくなっていることが考えられます。
本記事では、70歳代の「貯蓄の平均額・中央値」や「貯蓄ゼロの割合」を解説します。
また、老後の生活設計にお役立ていただけるよう《健康寿命と平均寿命の差》についてもご紹介しますので、ぜひご覧ください。
1. 《老後の生活設計》健康寿命と平均寿命の差はどれくらいある?
厚生労働省が発表している「令和5年簡易生命表」によると、現在の平均寿命は男性81.09歳、女性87.14歳(いずれも2023年時点)です。
また、2025年1月に総務省が公表した「2024年(令和6年)労働力調査」によると、全就業者数6781万人のうち、65歳以上の就業者数は930万人と、前年に比べて16万人も増加しています。
このように、シニアになっても元気に働く方々が増えるなか、健康寿命は、男性72.57歳、女性75.45歳となっています(2022年時点)。健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことです。
ここで気になるのが、健康寿命と平均寿命の差です。
働くシニア世代を後押しするしくみは整いつつありますが、医療費や介護費などがかさむ世帯が増える時期でもあります。健康面での不安を感じることも増えるでしょう。
このような時期には、貯蓄を取り崩しながら年金生活を送る世帯も増えるかもしれません。そのため、貯蓄をしっかりと計画し、年金生活を安定させることが大切です。
次章から、70歳代世帯がどれくらい貯蓄しているのか、その実態を見ていきましょう。